GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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氷のくちびる

 セルバンテスはぼんやりと目を開けた。
 すかさず怒号が飛んでくる。
「貴様ァ!たるんどるぞ!」
 それと同時に脇腹をいやというほど殴られて、比較的温厚なセルバンテスもこれにはむっとした。
「私は…」
 十傑衆眩惑のセルバンテスと言いかけたのを途中で遮られ、中級エージェントらしいその男が命令すると、セルバンテスの左右にエージェントが並んだ。
「今日、貴様らが集められた理由をわかっているか!」
 ああ…とセルバンテスは納得した。
 セルバンテスが移動してきたこの世界にもBF団は存在するのだ。
 ただ、そこで違うのは自分は十傑衆ではなく、ただの一介のエージェントに過ぎないということ。
「今日は、幽鬼さまが世話係となるエージェントをお決めになる日。貴様らの中の誰かが選ばれれば、この上ない栄誉なことであるし私も鼻が高い」
 それからひとりずつ己の特殊能力を説明させられ、セルバンテスは面倒くさかったので両手から熱を発してみせた。
「ほう、素晴らしいな。もしかしたら貴様が選ばれるかもしれんぞ」
 どこか上の空でそんな言葉を聞きながら、セルバンテスはこの世界の幽鬼はどんなだろうと考えていた。
「お見えになった!」
 その言葉でセルバンテス以外のエージェントは身を固くする。
 室内へ、カワラザキに付き添われた子供の幽鬼がおずおずと入ってきた。
「あ、幽鬼くーん」
 以前見たのと変わらない幽鬼の姿に安堵し、気楽に手を振ったのがまずかった。
「貴様ァ!」
 中級エージェントが怒鳴るより先に、強烈な一撃がセルバンテスの頭を見舞った。
「…ったー…」
 拳を握りしめたカワラザキがセルバンテスを見下ろしている。
 セルバンテスの無礼とカワラザキの怒りを心配して、中級エージェントはおろおろする。
「幽鬼はいずれ超級エージェントになる…貴様ごときが気安く呼べるような立場ではないぞ」
「は、はーい」
 たとえどんな世界であってもカワラザキに逆らうのは得策ではない…セルバンテスは素直に謝った。
 しかし…意外なことに、幽鬼は黙ってセルバンテスを指さしたのだ。
「え?」
「…こいつが…いい」
 幽鬼の言葉にエージェントとカワラザキが何度も確かめる。
「本当によろしいのですか?」
「幽鬼いいのか?まあ…役に立たないようなら途中で処断するもよし、だがな」
 その場の全員が想像もつかなかったが、とにかくセルバンテスは幽鬼の世話役に選ばれたのだった。



「…そう…それでこっちを先に計算して…うん」
 そう言ってからセルバンテスはあわてて周囲を見回し、カワラザキの姿がないことを確かめる。
 幽鬼の世話として勉強も教えるようになったが、今までに何度も気安い言葉をかけてカワラザキに殴られているのだ。
 幽鬼はそんなセルバンテスを見て、ぶぜんとした表情のまま言う。
「…ふたりのときは、そうやって話してもいいから…」
「あ、えー、はーい」
 今日は珍しくカワラザキが出かけていて留守だから、そういうことを言ったのかもしれない。
「じいさまは、厳しいから」
「そーですねえ」
 休憩のお茶を差し出しながら、セルバンテスは尋ねたかったことをこの機会に聞いてみる。
「あの、なんで、私を選んだわけで?」
 幽鬼はお茶を飲む手を止めてセルバンテスを見つめ、少し恥ずかしそうに視線を外し小さな声で言った。
「…傍に…いてくれそうだったから…」
「え?」
「じいさまは、いつも一緒にはいられないから…だれかにいてほしかった。それに」
「それに?」
「…優しそうだし、なんか、知ってるみたいな気がしたから…」
 セルバンテスはちょっと驚き…やがて顔をくしゃくしゃにして喜んだ。
「ありがとう…ございます」

 私のことを覚えていてくれて…そう告げるより先に目が覚めた。
 ぼんやりとした暗闇にも似た空間で、目の前にいるのは幽鬼ではなく…BF。
「BF…」
「やあ、僕からのクリスマスプレゼントはどうだった?」
 自分が今いる場所は死の世界であるはずなのに、時空を移動できる自分やBFにしてみれば、本物の幽鬼たちがいる世界からここへ引っ越しただけのようなものに捉えられているようだ。
 ただし戻ることはできないけれども。
「…素敵な…夢でしたよ…」
 皮肉を込めてそう言うが、BFは全く意に介していないらしい。
「そう、それはよかった」
 目を細めて笑うBFにつられるようにセルバンテスも笑った。
「BF、あなたは本当にお優しい方だ…そして、酷い…」
 セルバンテスの笑顔が歪んで涙がこぼれた。

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まいりぃまいろ

Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
レッドは絶対荒唐無稽な夢を見る。

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