GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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この秋に

 秋晴れの朝。
 彼は縁側の椅子に腰かけ、心地よい風に目を細めている。
 ふと、何事か思い立って、庭で洗濯物を干そうとした妻に声をかけた。
「お前、今日は忙しいのか」
 長年連れ添った妻は、忙しいなどと口にしないが、彼が知る限りでは家事をこなすため一日中動いているように見えるからだ。
「いいえ、これといった用は…なんです?」
「たまには一緒に散歩でも行かんか」
 仕事を辞め、家にいるようになってから初めて、そんな言葉をかけた。
 妻は意外そうに彼を見つめ、洗濯物を片づけながら嬉しそうに言う。
「では支度してまいりますね」
 女の支度は時間がかかるからと、彼は帰りが遅くなることを考慮して愛猫の餌を準備してやることにした。
 彼の部屋の出窓をお気に入りの場所にして、いつも寝そべっている猫は、彼の遅く授かった一人息子と同じ名前だった。
 最初妻は、息子と同じ名前にすることを嫌がったけれど、当の本人である息子が笑って了承したのだから、それ以上は何も言わず、今では猫を一番かわいがっている。
 息子は幼いころから虫が好きで、それが高じて現在では外国で昆虫学者として研究に勤しんでいた。
 先日、もしかしたら未来の妻になるかもしれないという、愛らしい巻き毛の娘と一緒に撮った写真を送ってきて…彼も妻も少し期待している。
「お待たせしました」
 少しめかしこんで薄い化粧までした妻と一緒に、彼は愛用の帽子とステッキを持って外に出た。
 金木犀の香りが漂うゆるやかな坂を、ゆっくりゆっくりと山の手へ向かって上っていく。
「あなた、ご覧になって」
 その山の手には小さな教会があり、今日は式が行われるのか、新郎新婦の友人らしい集団が、飾りつけなどしながら楽しそうにやっている。
「…思い出しますわね」
「そうだな」
 思えば彼らが式を挙げたときからこの教会はそこにあった。
 神父は何代か変わったが、教会の建物は昔のままだ。
 そしてこの教会の反対の坂を下りていくと、こじんまりとしたレストランがあって彼はそこで妻に求婚したのだ。
…今夜はそこで思い出を語りながら食事をし、帰宅してからアルバムを開くのもいいかもしれない…そんなふうに考えた瞬間、彼の心臓がトクンと鳴った。
「どうなさいましたの?」
「いや…」
 アルバム?はたしてアルバムなどあるのだろうか…?



「そうそう。今朝、まだあなたがお休みのときにユウキさまからお電話があって、近日中にこちらへ帰ると」
「そうか、どういう風の吹き回しか知らんが…」
 また彼の心臓が鳴る。
 今、妻はなんと言った…?
 なぜ自分の息子を呼ぶのに、さま付などしたのだ?
 いや、それよりも…自分には妻などいたのか?
 様々な疑問が浮かんでは消え…視界がブラックアウトする。
 闇に包まれた世界、呆然と立ちすくむ彼の耳に靴音が聞こえてきた。
「おかえり」
 あどけない、しかし邪悪さを秘めた笑顔でBFが立っている。
「BF…今のは」
「IFの世界だよ。もしも君が僕と出会っていなかったら、送っていたかもしれない人生だ」
 思い返してみると、何年も何十年も歩んできた道のようだったが、心の底には常になんらかの想いがあった気がする。
「今なら…戻れるよ」
 選択しろとBFが言っているのだ。
 彼…カワラザキは不敵な笑みを浮かべ、懐から取り出した…さっきまで持っていたはずのない…葉巻を咥えた。
「…退屈な人生ですな」
「そう言うと思った」
 満足そうに笑ったBFが指を鳴らしたとたん、周囲は闇から硝煙と炎渦巻く戦場へと変わる。
「まあ…こちらのほうが儂にはふさわしいだろうし、楽しそうだ」
 そうつぶやいて思い出す…ここは初めて幽鬼を伴った戦場だ。
 カワラザキは葉巻を咥えたままで、軽く肩を回すと後ろにいるはずの幽鬼を見もせずに怒鳴った。
「突っ切るぞ!儂がいるからって、躓いたり遅れるなよ!」
「承知」
 獅子の咆哮にも似た雄叫びをあげ、カワラザキは敵の真っ只中へと躍り込んでいった。

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まいりぃまいろ

Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
レッドは絶対荒唐無稽な夢を見る。

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