GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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たそがれ

 秋の午後。
 心地よい風が水面を撫でていく中、カワラザキは湖畔で釣り糸を垂れている。
 かれこれけっこうな時間になるはずだが、折りたたみ椅子の脇に置いた魚籠には、まだ一匹の魚も入っていない。
 微動だにしないので、釣竿をそのままに眠ってしまっているのかと思えた。
 そのカワラザキの背後に、音もなく近づいてきた者があった。
 気配すら消していたというのに、カワラザキは湖面を見つめたままで釣竿を上げる。
「やれやれ。でかい図体の影が射したばかりに、魚が逃げてしまったな…樊瑞」
 気づかれていたのならと、樊瑞は今度は足音を立ててカワラザキに歩み寄った。
「…こんな場所で釣りとは意外だな」
「なに。ここなら孔明にも気づかれんし、呼び出しもかからんからな」
 そうしてゆっくりと樊瑞を振り向いた。
「…どうした」
「あれは、なんだ」
 樊瑞がここへ来た理由に、薄々気づいているのなら、前置きはいらない。
「私は聞いていない」
「ああ、あれな…」
 カワラザキは再び釣り針に練り餌をつけ、水面に竿を向けた。
「私兵を禁じているにもかかわらず、怪しげな風体の輩を引き連れ、私の言葉にも耳を貸さず、ただ黙ってこちらを見ているだけ…激動は知っていたのか」
「…ほかの者のように、じいさまと呼んでかまわんぞ」
「お答えいただきたい」
 カワラザキに譲られたリーダーとして、気安くじいさまと呼ぶのが憚られるのだ。
「樊瑞、お前、真面目すぎるな」
「茶化されるか」
「いやいや。やはりお前に頼んで正解だった…おっ」
 浮きが動き、竿が引っ張られる。
 カワラザキが竿を上げると、見事な大きさのアユがかかっていた。
「ほう…」
 感心したように覗き込む樊瑞に笑いかけ、カワラザキはアユを魚籠に入れる。
 そしてまた竿を放った。
「…お前、あれの二つ名を聞いておらんのか」
「怒鬼、としか…」
「あれはな、直系の怒鬼と名乗っている。その意味がわかるな?」



「なんと…!では、あやつは!」
 カワラザキは釣竿を引き上げ、ちらと横目で樊瑞をにらんだ。
「…今度は大声で魚を散らしたか…お前なぁ…」
「む、申し訳ない」
「まあいい」
 素直に謝る樊瑞に笑い、釣り針の餌を付け替えて放った。
「儂はBFの前でやつにあった…なかなかの使い手でな、BFはやつになにかを命じて眠りに就かれたのだとわかった。やつの二つ名の意味、孔明も理解していよう…」
 先ほどまで心地よかった風が、激しく水面を吹き、樊瑞の頬をも冷たく撫でる…それはBFが怒鬼に託した命令を想像し、自分の思いもよらないところで描かれていたBFの策に呆然としたせいかもしれない。
「BFはBFで独自に動かれている…我々はやつの動きを妨げず、孔明を窺いながら動かねばならん…そうだな?」
 確認するように振り向けば、樊瑞も重々しくうなずいた。
「ならば得策がいった。これで私はやつを信頼できる」
「ふふ…そう深く考えずとも、やつは好き勝手にやるだろう。やはりお前は真面目すぎる。お…」
 引きがあって竿を上げれば、先ほどのものと同じくらいの大きさのアユがかかった。
「秋の日は釣瓶落とし、とはよく言ったものだ…日が陰ってきたな。樊瑞、火を起こしてくれ。焼いて食おう」
 陽が落ち始めたと思う間もなく、あたりは暗くなり始めた。
 樊瑞は言われるままに火を起こし、カワラザキはそのあたりにあった枝を折り、魚を貫く。
 カワラザキは折りたたみの椅子に、樊瑞は転がる石に腰かけて魚の焼けるのを待った。
「孔明は…真にBFへの忠誠を誓っているのであろうか…」
「…なぜそう思う?」
「ではなぜ、BFは私や、その、じいさまに孔明の動向に気を付けるよう、命じられたのか」
「切れすぎるからよ…BFに取って代わることなどはできん。だが己の理想とBFの理想、それを違えたとき、組織が二つに分かれるようなことがあってはなるまい…おお、焼けたな」
 串刺しの魚を取り上げ、一匹を樊瑞に渡す。
「なるほど…」
 樊瑞はしばし魚を見つめ、おもむろに齧り付いた。
「焼き立てで新鮮な魚は美味いな。これで酒でもあれば最高なのだが」
「…酒ならある」
 なにかが吹っ切れたような樊瑞は、小さく苦笑しマントの陰から小さな酒瓶を取り出してきた。
「ほほう、用意がいいな」
「手ぶらで意見を伺いにくるなど、私の気が許さんのでな」
 ふたりは、今日の話はだれにも内密との意味を込めて盃を上げ、そこからは世間話に興じて酒肴を楽しんだ。

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