GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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逆回転

「それでは旦那さま、お言葉に甘えまして…」
 うやうやしく挨拶する夫人も、その後ろに控えている四人のメイドも、いつになくおめかしをしている。
 というのも、日ごろの働きぶりを労おうと、カワラザキと執事で話し合ってメイドたちに休暇を与えることにした。
 今から出かけて、オペラを観劇し、名勝を観光し、夕食を楽しんで帰ってくることになっている。
 カワラザキと執事のふたりだけにしてしまうことを、夫人は最初不安がっていたが説得されてようやく了承した。
「こちらのことは気にしなくていい。なかなか休む機会もないからゆっくり羽を伸ばしてきなさい」
 さらに女性だけでは不安だろうと、シェフをボディガードとしてつけてやった。
「ああ見えて腕っぷしは強いから護衛にはちょうどよかろう」
 そして一行が出ていってしまうと、カワラザキ自身も羽が伸ばせた。
「やれやれ…身の回りの世話をしてもらうのは助かるが、あれこれと口うるさく言われるのは正直な話疲れるな」
 少し肩を動かして大変さをアピールすると、執事が苦笑しながら朝のお茶を差し出した。
「旦那さま、そのようにおっしゃっては懸命にやっている夫人が気の毒ですよ」
「む、それはそうだが…」
 夫人の働きはカワラザキもよくわかっている…だからこそ、ついこんな愚痴をこぼしてしまうのだが。
「ともかく、今日は私たちふたりしかいないのですから…私はちょっと夕食の買い物にいってまいります」
「うむ、頼む。ああ、それから…すまんが、葉巻を注文してあった。ついでに受け取ってきてくれ」
「かしこまりました。では」
 執事の車が出ていく音を聞きながら、カワラザキはお茶を飲み終えて考えた。
「さて…儂もなにか動くとするか。料理はあいつがやってくれるとして…」
 掃除に関しては夫人が完璧にやっているし、うかつに彼女が管理している物などを動かすと叱られるのは目に見えている…なにしろ収納も調度も彼女の管理だから、これに関してだけはこの屋敷の主であるカワラザキも意見できない。
「洗濯でもするか」
 もちろんメイドたちの洗濯物は各々がやっているし、カワラザキ自身の洗濯物もスーツなどはクリーニングに出すし、せいぜい下着が数点くらい…。
「ついでだ。儂のタオルでも洗うか」
 今朝は洗濯をしている時間などなかったはずだから、カワラザキが洗顔時やシャワーのときに使ったタオルが、そのまま洗濯かごに入っていた。
「洗濯くらい儂でもできる」
 カワラザキと執事用にだけ使われている、そう大きくはない洗濯機に洗濯物を放り込み洗剤を投入する。
「これは…むぅ、細かい文字が読めんが…これくらい入れれば汚れも落ちよう」
 洗濯が終われば機械が教えてくれるはずだからと、いったん書斎のほうへ戻った。



 子供の幽鬼がテラスで、初めてのシャボン玉遊びをしている。
 最初は強く息を吹きすぎてうまくできなかったが、執事に何度か教わるうちにようやく丸い、大きなものが飛ばせるようになった。
 その様子を書斎から眺めているカワラザキに気づき、幽鬼がはにかみながら手を振ってくる。
「はは、きれいだな…だが、ここには大事な書類もあるからな。割れてシャボン液がこぼれては大変だから気をつけてくれよ」 そう言っているうち、カワラザキの鼻先をシャボン玉がかすめて、あたりにフローラルな香りをまき散らす。
「幽鬼…勘弁しておくれ…」
 秋の日差しはまだ少し暑かったが、今日は心地よい風が吹いていて窓からカワラザキの髪を揺らしている。
 革張りの椅子にもたれて日差しに目を細めているうちにうとうとしてしまったらしい。
「…旦那さま…旦那さまっ!」
 執事の大声で目が覚めた。
「お?おお…どうした?」
「どうした、ではございません!これはいったいどういう…!」
 執事の指差す先を見れば、泡の塊が怪物のように書斎へ入り込もうとしている。
「な、なんだ?」
 そこでようやく…どうやら洗剤を入れ過ぎて、洗濯機から泡があふれ出てきたのだとわかった。
「いかん!」
 洗濯機はすでに洗濯を済ませていたが、あふれ出た泡はランドリー室から廊下を通って書斎まで、滑りと水分を残している。
「夫人に見つかったら叱られるどころではすみませんぞ」
「わかっておるわかっておる。今、セルバンテスか孔明に連絡して掃除ロボットを…」
「そんな余裕はございません!」
 そう言われてようやく我に返ったカワラザキは、掃除道具入れからモップやバケツを取り出し、執事とともに大急ぎで掃除を始めた。
「旦那さま、我々ふたりではきれいになったかどうかわかりませんが…」
「うるさい。儂はこれから言い訳を考えるから、お前はニンニクやハーブを目いっぱい効かせて肉を焼け」
「は、はぁ?」
「この洗剤の匂いを消さんわけにいかんだろうが」
 執事はやっと納得してキッチンへと消えていった。

 案の定、帰宅した夫人が真っ先に気づいたのは、屋敷中に充満している不思議な匂いだった。
「どうなさったのです?」
 メイドたちを休ませ、ひとり今日の報告にカワラザキのところへやってきた夫人に詰問される。
「あ、あー、ちょっと肉を焼く際に匂い消しがきつすぎたな」
「まあ…」
「それに昼には、薄汚れたネコが飛び込んできて家中を走り回りおった。おかげでやつとふたりで慣れん掃除などして、すっかり疲れてしまった。悪いが明日、掃除のやり直しを頼む」
「かしこまりました。もちろんですとも」
「では今夜はもう休んでくれ」
「はい。旦那さま、今日は本当にありがとうございました」
 にこやかに夫人を見送ってから、椅子に腰を下ろしたカワラザキは、足元に隠した洗濯物を見て大きな息を吐いた。
「…任務でもこんなに疲れたことはないぞ…」
 そうして明日は、夫人にウソがばれる前にとっとと逃げ出すことに決めた。

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Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
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