GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ぺてん師

「…まったく、なんてところへ引きこもってるのやら」
 少し急な山道を登りながら、その人はひと息ついて悪態をつく。
 見慣れぬ客人の来訪に、山道の途中に仕込んであった鳥に似せた監視用のロボットが警戒の音を出す。
 通常の人間には聞こえるはずのないその音に気づいた人物は、梢を見上げロボットに向かって笑いかけた。
「私だよ、わ・た・し」
 モニターの向こうで監視をしていた人間は、ようやくその人物がだれなのかわかったらしく、ロボットがさえずるのをやめさせた。
 一見すると女性のようにも見え、しかし装いは中性的で…男装の麗人という形容が似合う。
 それが、ひとたび十傑のひとりとして動くとなれば古代の宦官となり、恐るべき鐘を用いて敵を屠るのだから異様と言えば異様だ。
 どちらが真実の姿かと問われれば…まともに答えられる人間は少ないだろう。
 カワラザキのように【宦官】というモノとして捉えていなければ、だ。
 さらに山道を少し登ったところに、小さな洋館があった。
 十常侍はもう一度息をつき、汗で貼りついた髪を直してからノッカーを鳴らした。
「いらっしゃいませ」
 私邸のほうの執事とは違う召使が出迎える。
「激動は?」
「書斎のほうに」
「あっそ」
 まるで以前からその洋館を知っているように十常侍は進んでいく。
 南向きだが木々が遮って直接日光の当たらない書斎に、カワラザキがくつろいでいた。
「また、ずいぶんなところに引きこもったね」
 カワラザキは読んでいた雑誌から顔を上げ、メガネをずらして十常侍を見る。



「家にはあれこれと厳しいメイドがいるからな、出張と称して逃げ込むにはちょうどいい場所だ」
「ああ…私もちょっと苦手だ。でもここだと…口うるさいメイドも坊やもいなくて、確かにいいね」
 カワラザキは雑誌を置き、椅子にもたれさせていた身体を起こした。
「静かな場所で静かにと思っていたが、うるさいのがやってきてそうでもなくなった」
 十常侍は自分を指さし、カワラザキがうなずいたので口をとがらせた。
「渡すものだけ渡したらさっさと帰るよ。どうせ夜毎、女をとっかえひっかえしてんでしょうが」
「人聞きの悪いことを言うやつだ。毎晩じゃない、引っかけたときだけだ」
 そこへ召使がお茶を運んできた。
 ソーサーごとカップを持ち、十常侍は大きく作られた窓から外を眺める。
「…新しい車、買ったの?」
「まあな」
 濃いブルーのセダンが停まっている。
「新車じゃないが、眩惑に言ってよさそうなのを持ってこさせた」
「ふうん…アンタくらいよね、世界のオイルダラーを自動車ディーラーにしちゃうなんて」
「が、普通に乗ってる分には文句ないが、女を引っかけると調子が悪くなる…一人乗りなんて聞いてないが」
「だろうね」
 その赤い瞳で車を見つめていた十常侍は事もなげにそう言って、お茶をひと口飲み続けた。
「あの車、女だもの」
 唐突な言葉にカワラザキがお茶を噴き出す。
「な、なんだと?あの車に女でも憑いてるっていうのか」
「っていうか、あの車自体に女の意識があるんだね」
 そう言ってから十常侍はにやりと笑った。
「命、吹きこんでやろうか?」
「冗談じゃない!」
 いつになく真面目な顔でカワラザキが遮る。
「そうか…道理で女を乗せると…めんどくさい話だな」
「手放すのは簡単だろうけど、アンタに惚れたみたいだから離れないかもよ?」
「おい」
 カワラザキに本気で睨まれれば、さすがの十常侍もあわてた。
「…昔からの付き合いだ、アレから命を抜いてやるよ」
 胸元から小さな鐘を出し軽く振る。
 一瞬…車が小さく震えたように見えた。
「これでもう、アンタの邪魔する者はいないよ」
「ふん、助かったな。少々値の張る買い物だったからどうしようかと思ったぞ」
 今夜あたり、またあの車で出かけるつもりと踏んだ十常侍は目を細める。
「ひどい男だ。女ばかりか車までぺてんにかけて…とんだぺてん師だね」
「当たり前だ。世界をぺてんにかけようってんだから、女や車なんて朝飯前だ」
 カワラザキは豪快に笑って葉巻に火をつけた。

*Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

Menu

FC2カウンター

プロフィール

まいりぃまいろ

Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
レッドは絶対荒唐無稽な夢を見る。

最近の記事

フリーエリア

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。