GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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Phantom Pain

 アルベルトが熱を出したのは、全身数か所の骨折とそれに伴う打撲や傷などが原因だった。
 複数の敵と渡り合い、その程度の怪我で済んだのはさすがは衝撃とだれもが噂する。
 超A級エージェントたるもの、これくらいで痛みを訴えたりはしないと思いながらも、処置をされた当日ともなれば発熱があっても当然だ。
 本人は本部での養生を望んだのだが、敵に関してなんらかの情報が入ってくれば、アルベルトのこと、じっとなどしていないのはよくわかっていると、樊瑞は自邸へ帰してしまった。
「大丈夫ですか、アルベルトさま」
 最初こそ扈三娘は心配そうな顔をしていたが、命には別条なくしばらくの養生が必要とわかって、甲斐甲斐しく看護を始めた。
「包帯の交換と傷口の消毒…これくらいなら私にもできますわ」
 熱を出した際には不安そうになったが、本部に連絡して医療班をよこさせるわけにもいかず、自分の知る限りの薬草を煎じてアルベルトのところへ運んできた。
「なんだ、この匂いは」
 熱のせいで呼吸を荒らげながらも、アルベルトはきつい薬湯の匂いに顔をしかめる。
「お熱がおありなので…薬草を煎じて解熱の薬を作りましたの」
「余計なことをするな。こんな熱などすぐに…」
 照れくささと扈三娘に心配をかけたくなくてつっけんどんな言い方をした。
 しかし包帯の巻かれた逞しい胸が激しく上下して、その言葉を嘘だと言っている。
「いけません」
 いつもとは違う扈三娘の強い口調に、アルベルトは一瞬驚いた。
「熱が身体中に回っては事です。さ、少し苦いかもしれませんがお飲みになってください」
「む…」
 これ以上不毛な言い争いは、体力を消耗させるだけだとアルベルトにもわかっている。
 しぶしぶ差し出された椀に口をつけたが、その苦さたるや、少しという代物ではなかった。
 なんとか飲み干すと扈三娘が微笑んだ。



「…楽しそうだな」
 ほんの少しの嫌味を交えて、横目で扈三娘を見るが扈三娘は動じない。
「そう思われたなら…申し訳ないのですけど、私はアルベルトさまが傍にいてくださってうれしいのです。あ、いえ、決して怪我をなさったことがとかじゃなく…」
「…わかってる」
 その扈三娘の笑顔が美しくて…きっと熱があるせいだ…と思いつつ、アルベルトは少しだけ甘えてみる気になった。
「…口の中が苦い。なにかないのか」
「ちゃんと用意いたしましたわ」
 アルベルトの言葉がうれしくて、扈三娘はさらに笑顔になりトレイから涼しげなカップに入ったゼリーを渡す。
「おい」
「はい?」
「私は腕を吊っているんだぞ」
「ああ!」
 扈三娘はいったん渡そうとしたカップを持ち直し、自らスプーンを手にしてすくい、アルベルトの口に運んだ。
 アルベルトも顔を赤くしながら素直に口を開ける。
 カップが空になると、扈三娘は優しく傷に障らないようにアルベルトの腕を撫で始めた。
「なんだ?」
「おまじないをしています。早く治られるようにと」
 扈三娘の手の温もりが、包帯越しでも伝わってきて…熱が少しずつ引いていくような気がする。
「も、もういい。熱がまた上がったようだから少し眠るぞ」
「はい」
 それがアルベルトの照れ隠しだとわかっているから、扈三娘はやはり優しく微笑んで手を引いた。

 扈三娘の微笑む写真を前に、アルベルトは先日失われた眼を覆った。
「扈三娘…私は眼を傷つけたのだぞ…早く、あのまじないとやらをせんか…」
 そうつぶやいて、どんなにあの温かい手を望んでも叶いはしない。
 アルベルトの眼の疼きは一向に収まる様子はなかった。

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まいりぃまいろ

Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
レッドは絶対荒唐無稽な夢を見る。

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