GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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熱帯夜

 幽鬼が熱を出した。
 季節の変わり目、本部での負担が大きい訓練、普通の人間には見えないものからの攻撃…体内に巣食っている群雲蟲のためにウィルスに感染することはないが、熱を出す要因はいくらでもある。
 特に、今日のようにカワラザキに連れられて外部へ出かけ、帰ってきた翌日はたいてい決まって熱を出した。
 幽鬼は精神的に脆い部分があるからと、夫人は何度かカワラザキに訴えたことがあったが、カワラザキとしては本部へ連れていくのは上からの指示なのだからどうしようもない。
 むろん本部でどのようなことが行われているのかは、夫人は知る由もない。
 おまけに…幽鬼の部屋にはいろんな幼虫や壁を這いまわる小動物がいて、病人の環境としては最悪だ。

 まだ熱は下がらない。
 顔を赤くして、呼吸を荒らげている幽鬼の部屋へ、夫人と執事がやってきた。
「幽鬼さま、幽鬼さまにとってあの子たちが大切な友達だというのはよくわかっております。でもあの子たちのためにこの部屋の空気が悪くて、幽鬼さまのお熱がなかなか下がらないというのもわかってくださいますね?」
 しぶしぶというようにうなずいた幽鬼にうなずき返し、夫人はほとんど開けられたことのない窓を大きく開け放った。
 すでに羽化していた蛾や蝶が飛び立ち、光に驚いた小動物や幼虫たちがこそこそと隠れる。
 それから執事に頼んで、幽鬼を一時的に客用の寝室に運んで、自分自身はメイドたちと掃除に取りかかった。
 小一時間ほど過ぎて、幽鬼は自分の部屋に戻ったが、そこは少々居心地の悪い場所になっていた。
 乱雑だった床はきれいに磨かれ、壁紙も明るい色調のものに張り替えられている。
 大事なものなどはそのままになっていたが、なんとなく落ち着かない。
「ご心配なく。あの子たちには引っ越してもらっただけで殺したりはしておりませんよ。そのかわり」
 そう言って執事に何事か頼んだ。
 執事はうなずき、色とりどりの熱帯魚が泳ぐ、大きな水槽を部屋に運び入れてきた。
 艶やかな色彩の魚たちに幽鬼は目を見張る。
「お元気になられたら、今度はこの子たちのお世話もお願いしますね」
 幽鬼は熱のことも忘れてうなずいていた。



 数日暑い夜が続いただけで、このザマだ…幽鬼は呆れたように息をつく。
 思い当たる原因を探したところで、このちょっとした熱が下がるわけじゃない。
 部下のエージェントによって無理やり、頭に氷嚢を乗せられ口に体温計を咥えさせられてベッドに追いやられた。
「幽鬼さまはそもそも体温が低くていらっしゃるのですから、この体温は発熱なのです」
 どこにでも夫人のようにおせっかい…もとい、面倒見のいい者はいて、幽鬼の仕事は全部キャンセルし、とにかく安静第一とうるさい。
「おい、実戦は無理でも事務作業くらいならできるぞ」
「なりません。このところ激務続きであったが故、過労からの発熱かもしれんのですから、休んでいただきます」
 やれやれ、とおとなしくベッドに入ったが、ドアが激しくノックされどこかで聞いた声が「幽鬼くん、幽鬼くん」とわめくに至って、エージェントの判断が的確だとわかった。
「絶対に開けるな」
「わかっております」
「それから激動のじいさまがきても開けるなよ。弱っちいだのなんだの説教が始まるからな」
「承知いたしました」
 ノックと声がやんだと思う間もなく、今度はドアを叩き破らんばかりのノックがあり、幽鬼は耳をふさいだ。
 記憶の中の熱帯魚が、幽鬼の脳裏で色とりどりに泳ぎ回り…そのうちに眠ってしまった。
 夕方近く、喉の渇きを覚えて目が覚めた。
 隣室に控えているはずのエージェントに水を頼もうとして、ドアが開かないことに気づく。
「おい!どうなってる。ドアが開かんぞ」
「しょ、少々お待ちください」
 エージェントのくぐもった声が聞こえ、なにやらどたどたと音がしてようやくドアが開いた。
「何事だ」
「はあ…実はみなさまがお見舞いとおっしゃって、いろいろお持ちになられドアの前に積んでいかれたのです」
 幽鬼は山積みの荷物を見る。
「…八割方セルバンテスだろう」
「よくおわかりで」
 その山積みの箱の上、危なげに乗っかっている小さな金魚鉢を見つけた。
「これは?」
「ああ、それでしたら…サニーさまが、ええと、確かレッドさまとどこかへ出かけられて…そうそう、すくってきたとおっしゃってました」
 金魚鉢の中には申し訳程度の水草があり、その脇を赤い金魚が泳いでいる。
 幽鬼は目を細め、その金魚鉢を掲げて言った。
「なによりの見舞いだな…昔からの解熱剤だ」
 意味のわからないエージェントが首をかしげた。

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Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
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