GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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もうすぐだ

 本部のエアポートに2機の飛空艇が着陸する。
 その1機からカワラザキと幽鬼が降りてきた。
「ほう、眩惑も同時に戻ってきたか」
 外見は同じ飛空艇だが、内部はセルバンテス好みの豪奢な飛空艇だ。
 きっと今、あのハッチが開いたらセルバンテスが駆け寄ってきて、幽鬼の頬にキスするに違いない…そう考えて幽鬼はちょっとうんざりする。
 しかし飛空艇のハッチが開くか開かないかのうちに、エージェントが飛び降りてどこかへ駆けていってしまった。
「ふむ?なにがあった」
 ただ事ではない雰囲気にカワラザキが近づいていく。
「どうした?」
 まだうるさいエンジン音にかまわず、開いたハッチから中のエージェントに声をかけると、エージェントが半泣きのような顔で口を開いた。
「せ、セルバンテスさまが…」
「怪我でもしたか」
「敵に…訳の分からない薬を使われて…」
 普段のセルバンテスなら困りものだが、何事かあったというなら仲間として放ってはおけない。
 幽鬼はカワラザキに続いて飛空艇に乗り込み…言葉を失った。
 席にはセルバンテスではなく5歳くらいの子供が座っている。
「眩惑、か」
 見た目は子供だが顔のペイントがセルバンテスだと物語っている。
 子供のセルバンテスは明らかに怯えていて…幽鬼を見るなりその足にしがみついてきた。
「お、おいおい」
 部下の話では、セルバンテスとはぐれてしまいようやく見つけたときには、ぶかぶかのスーツとクフィーヤをつけたこの子がおどおどとしていたらしい。
「眩惑としての記憶はないのか」
「ありません。なにもかもが子供のそれです」
 カワラザキは幽鬼の足からこっちをうかがっているセルバンテスを見つめた。
「幽鬼になついているあたり、記憶があるようにも見えるが…」
「違うな。単にじいさまが怖いだけみたいだ」
「ん?」
「じいさまには髭があるからな、セルバンテスには自分の一族のだれかに思えて怖いらしい」
 幽鬼はその場に屈み込みセルバンテスと視線をあわせた。
「大丈夫か?痛いところとかはないか」
 セルバンテスはひどく不安そうな目で幽鬼を見る。
「…知らない人ばっかり…」
「ああ、そうだな…だが、危害を加える者はいない」
 そこへ最初に飛び降りていったエージェントが戻ってきた。
「解明し対処の薬を作るので、医務室へと孔明さまが!」
 幽鬼はエージェントに向かってセルバンテスを押し出すがセルバンテスは幽鬼にしがみついたきり。
「やだ!」
 それを見ていたカワラザキが事もなげに言う。
「なつかれたら仕方あるまい。幽鬼、しばらく面倒を見てやれ」
 幽鬼は頭をかくがカワラザキの言うことに反論はできなかった。



「どこいくの?」
「医務室。そこで使われた薬を調べて…」
「薬?」
 手を引いて歩き始め、そこまで話してから幽鬼はどうせわかってないのだからと説明をやめた。
 医務室では孔明と医療班のスタッフが待っていた。
「なるほど…私も話を聞いただけでは半信半疑でしたが…では採血を」
 スタッフの手にある注射器を見てセルバンテスは暴れ、幽鬼にしがみついてきた。
「やだやだ!」
「大丈夫だ、すぐに終わるから」
「やだぁ!」
 仕方なく幽鬼はセルバンテスを抱っこしたままで交渉する。
「もっとほかの方法はないのか」
「では耳から採血しますか…幽鬼殿、そのまま抱いていてくださいね」
 幽鬼が身体を、スタッフが頭を押さえる形で、孔明がセルバンテスの耳に小さな傷をつけて血液を採取した。
 そんなに痛くはなかったが、それでもべそをかくセルバンテスに幽鬼は苦笑する。
「ちょうどよいのではありませんか」
 採取した血液を研究室へ持っていくよう指示してから、孔明は幽鬼にそう言った。
「なにがだ?」
「今ならセルバンテス殿に悪戯もされますまい」
 確かにそれはそうなのだが…幽鬼はきっぱりと言い切った。
「眩惑の能力が失われては困る。鬱陶しい存在だが奴は必要な存在だ」
「けっこう」
 なにか試されたような気がしないでもないが、孔明はそう満足そうにうなずいた。
 それから…結果が出るまで一緒に過ごすこととなったが、実際つきあってみるとセルバンテスは難しい子供だった。
 食べたいもの、やりたい遊び、そういうものを一切口に出さない。
「なんでもいいんだぞ」
 促してから幽鬼はああ、と納得する。
 この子は生まれたときから大人の中だけで過ごし、大人の意のままに育てられてきたのだ。
 そしていつからか、大人に好かれるために明るくふるまうようになり自我を殺し続けた。
 その結果としてあの能力を手に入れたに違いない。
 憐れむなどおこがましい話だが、幽鬼がほんの少しそんな感情を持ったとき、考えていたセルバンテスが口を開いた。
「…手、つないでて」
「そんなことでいいのか」
「うん」
「お安い御用だ」
 それから手をつないだまま本部のあちこちを見せて回ってやった。
 それだけで…本当にそれだけでセルバンテスは満足したのだ。
 3時間ほどすると放送が入り、セルバンテスと幽鬼に医務室へこいとの内容だった。
 セルバンテスは不安そうに幽鬼を見上げる。
「痛いこと?」
「俺がいる。大丈夫だ」
 幽鬼が笑ってみせるとセルバンテスは安心したように改めて手を握ってきた。
「いやはや、我がスタッフは実に優秀で…使われた薬を検出して元に戻る薬を作りました」
「それはよかった」
 そのやり取りを見ていたセルバンテスがまた不安な声を上げる。
「なに?」
「お前さんが元に戻る薬ができたってさ」
「元って?」
「大人の身体になる」
「…わかんない」
「わからなくってもいいさ」
 孔明がひとつ咳ばらいをした。
「飲み薬と…注射があるのですが、飲み薬の場合は効果が遅れて半月ほどかかります。注射なら…」
「すぐに効果が表れる、と」
 急いだほうがいいというのはわかっている。
 それに…このまま半月も一緒にいたら、幽鬼のほうが情が移ってしまいそうだった。
 嫌がるセルバンテスを抱きしめ優しく言い聞かせてやると、最初は首を振っていたがしまいには納得したようでうなずいた。
「でも…でも…」
「でも、なんだ?」
「ぎゅっとしてて」
「わかった」
 セルバンテスは幽鬼の首にしがみつき目をきつく閉じて腕を差し出した。

 セルバンテスはそのまま昏睡状態のようになったが、数日後には元の姿に戻った。
「幽鬼くーん」
 本部内のカフェで新聞を読んでいた幽鬼のところへやってきて、その首に腕をからめてくる。
 幽鬼はいつものように払いのけもせず、ひとこと言い放った。
「あんた、本当にスキンシップ好きだな」
「だめ?なんか安心するんだよね。人の温もりっていうか…あ、なんか私らしくない物言いだな」
「いや…」
 幽鬼は新聞を畳み、やんわりと腕を外す。
「俺が変な癖を覚えさせたからかもしれんから…」
「え?」
 怪訝そうなセルバンテスの手に新聞を押しつけ、幽鬼はカフェを出ていった。

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まいりぃまいろ

Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
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