GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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負けないで

 カワラザキも若く、幽鬼も若かった。
 カワラザキは超A級エージェントを取りまとめる役としてそれなりの地位についていたが、幽鬼はまだ駆け出しでようやく部下をひとりつけてもらった頃だった。
 その日、カワラザキが自分の執務室で書類に目を通していると、不意に部屋の外が騒がしくなった。
 秘書に様子を見にいかせれば、憤る幽鬼を部下が必死に止めているところで、傍から見たらそれはまるで忠臣蔵の刃傷松の廊下状態。
「幽鬼さま!なりません!」
「ええい、離せ!今日という今日はもう我慢できん!」
 あまりにうるさいので入室を許された幽鬼は、まっすぐにカワラザキのところへやってきた。
「なにか用かな」
「これ!」
 カワラザキの目の前に突き付けられたのは、先日幽鬼が書いた報告書。
「ふむ、きちんと書けていたから及第点をやったつもりだが?」
「そういうことじゃない。これはなんだ、これは!」
 いちばん最初に書いた報告書はひどいもので、カワラザキは幽鬼に報告書を突き返し「書き直し」とひと言言い放っただけだった。
 だが…何度か報告書を書くうちに上達してきたのはいいが、この前の報告書には「もう少しがんばりましょう」とあり、今日持ってきた報告書には「たいへんよくできました」と花丸がついていたのだ。
「俺は子供か!」
「儂から見ればまだまだ子供だが」
 秘書と部下が必死になってとりなそうとするが、幽鬼の怒りは収まらない。
「俺はもう大人だ!だから…もうじいさまと一緒に寝ないからな!」
 カワラザキの執務室に詰めているエージェントが、衝撃の告白に書類を取り落す。
「ほう、これからはひとりで寝るの言うのだな?」
「そうだ。俺の部屋にはちゃんとベッドがあるから、そこで寝る」
 カワラザキはメガネをずらして幽鬼を見上げ、言葉を続けた。
「では夜中にトイレもひとりでいくのだな?」
 一瞬、幽鬼がたじろいだ。
「う…か、懐中電灯でもなんでも持っていくから大丈夫だ!」
「そうかそうか。それなら風呂に入ってもう頭も洗ってやらんでいいな?」



 カワラザキとしては切り札を出したつもりだったが、幽鬼は余裕の笑みを浮かべた。
「自分で洗える」
「シャンプーが目に入っても、だれも拭いてくれんぞ?」
「ふふん、そのために策士にシャンプーハットをもらったんだ。これでもうシャンプーは怖くない」
 そのあたりが子供なのだとは気づいていない。
「ほうほう、ではバスルームの天井に長い髪の女が張りついていたりしても大丈夫だな」
 その言葉にさすがの幽鬼も顔色を変えたが、拳を握りしめて反論した。
「そ、そんな女なんているはずないっ!そ、それより俺だってもうじいさまの背中を流してやらないんだからな!」
「ふむ…」
 難しい表情になったカワラザキに、幽鬼は勝利を確信して胸を張った。
「じゃあ今日からもう俺は俺の部屋で寝るから!」
 そう言い放って部下を連れ帰っていった。
「あの、カワラザキさま…」
 一連のなりゆきを見守っていた秘書が、おずおずと口を開く。
 カワラザキはひとつ大きな息をつくと、メガネを外して椅子に深く腰掛け直した。
「幽鬼の能力は知っておるだろう?」
「はい」
「あの能力ゆえ、やつは普通の人間には見えないものも見えるんでな…幼いころから怯えていた」
「すると今のはカワラザキさまなりの親心と…」
「まだうまくコントロールできておらんのに放り出せるはずもない。なんとか思いとどまらせようとしたが…すまんがお前、幽鬼のところへいって儂が降参したから背中を流してくれと伝えてきてくれ」
 秘書は二つ返事で執務室を出ていき、十数分後に戻ってきた。
「ただいま戻りました」
「どうだった?」
「はい。カワラザキさまのお言葉を伝えたところ、少し得意げな表情をされてそれなら仕方がないから戻ってやるとおっしゃいました」
 カワラザキはうなずいて、またメガネをかけて未処理の書類に目を通し始める。
「ところで、お前がいったとき幽鬼はどんな様子だった?」
「はい。部下は使いに出させたのかおひとりで、その…部屋の隅にうずくまっていらっしゃいまして…」
「泣いていたか」
「多少、肩が震えていたように思います」
 それを聞いたカワラザキは大声で笑い出した。
「ひよっ子が!儂から独立しようなどとは笑止千万!」
 そして秘書もまた、本当はカワラザキのほうが子離れできないのではないかと思っていた。

 さて、幽鬼はいつになったら親離れできるのでしょうかねえ。

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Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
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