GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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海を見ていた午後

 私邸のほうを二日ほど留守にしていたカワラザキが戻ってきた。
 本当は簡単な任務の遂行だったが、表向きは財団の仕事の都合となっている。
「旦那さま、申し訳ございません」
 卵型の頭に汗を浮かべた執事が出迎えたのを見て、カワラザキはすぐにあまりよろしくないことが起きたのだとわかった。
「どうした?」
「書斎の机に置かれていた金が…ああ、わずかな株の配当金だったのでそのまま放置してしまったのですが、それがなくなりまして…」
「ふむ、どのくらいだ」
 執事がこっそりと耳打ちした金額にカワラザキはうなずく。
「たいした額ではない。万一だれかが疾しい気を起こしたのだとしても、犯人捜しなどはしなくていい。どの使用人もよくやってくれている。こんなことで失うのは惜しいからな」
 そう言われてようやく執事も安堵の息を漏らす。
「かしこまりました。では不問で」
 まずは書斎で一服と思ったところへ、今度は夫人がやってきた。
「お帰りなさいませ、旦那さま。幽鬼さまはご一緒に戻られなかったのですか?」
 14歳にもなったということで、幽鬼はときおりカワラザキと一緒に出かけてそのまま支部のほうへ残ったりすることも増えた。
「幽鬼だと?いや、今回は幽鬼は同行しておらんぞ」
「えっ?」
 初めて夫人が目を丸くする。
「しかし幽鬼さまは一昨日よりどこにもいらっしゃいませんが」
「いつだ」
「旦那さまがお出かけになられて…その数時間後にはもうお姿が見えませんでしたので、てっきり旦那さまとご一緒なものだと…」
 一瞬、全員が顔を見合わせ…いち早く駆け出したのは夫人だった。
「お部屋のほうにはなにもございません」
「万が一、家出だとしても書置きなどしていくような…いや、意外に幽鬼はマメなほうだから…」
「まさか誘拐などとは…」
 不安そうな夫人の言葉にカワラザキは黙り込んでしまった。
 確かに幽鬼は能力者ではあるが、今はまだ未熟なことこの上ない。
 こんな状態で敵の上位能力者にでも出会ったら、拿捕されてしまわないとも限らない。
「け、警察に連絡したほうがよいでしょうか」
 狼狽する夫人を落ち着かせたいが、警察沙汰にするわけにもいかない。
「そうだ。メイドを呼んでいつものナマズ髭がこなかったが尋ねてみよ。やつが幽鬼を連れていったかもしれん」
 カワラザキが顔を上げてそう言ったときだった。



「もしもーし。もしかしてそのナマズ髭ってのは私のことかな」
 いつの間にかセルバンテスが書斎に入り込んでいる。
「セルバンテス…」
「じいさま、葉巻のケースを忘れていったでしょ。好きな銘柄のやつだから届けにきたよ」
「あ、あの!」
 いつもは毛嫌いしているセルバンテスだが、今日ばかりは藁にもすがる思いで夫人が尋ねてきた。
「幽鬼さまをご存じないですか?お姿が見当たらないのです」
「幽鬼くん?いや、知らないけど…なにかあったの?」
 執事が事情を説明するとセルバンテスは快活に笑った。
「あのくらいの年ごろの子にはよくあることでしょ。ふらっと出ていってふらっと帰ってくるんじゃないの?」
「そんな無責任な!幽鬼さまはあまり世間に慣れていないのですから、悪い人間にでも唆されたら…」
 悪いほうへ悪いほうへと考えて、今にも気を失いそうな夫人を見て、さすがにセルバンテスも同情する。
「新聞広告でも出したら?勘のいい子だから自分のことだとわかれば帰ってくるよ」
 執事と夫人がカワラザキを見る。
「おっと失礼。電話だ」
 そんなやり取りを無視して、セルバンテスはポケットから取り出した電話で話し始める。
「うん私だ…うん、うん…ああ、そう…わかった、すぐいくよ。ありがとう」
 電話を切ったセルバンテスが出ていってしまうと、執事も夫人ももうその存在を忘れてしまったようにカワラザキをせっついた。
「旦那さま、広告を出してください」
「あー、うん…」
 しかしカワラザキの名前で、だれでも見られる新聞広告を出すのは非常にまずい。
「オースティン、お前の名前で広告を出すように。今からなら夕刊に間に合うだろう」
「かしこまりました」

 広告を出して間もなく、幽鬼は戻ってきた。
 なにより驚いたのは、あの冷静な夫人が今まで見たこともないような狼狽え方をし、幽鬼の帰宅を心から喜んでくれたことで、だから幽鬼は素直に謝ることができた。
 そしてカワラザキにも。
「…心配かけて…ごめんなさい…」
 カワラザキはひとつ大きなため息をつくと、穏やかな笑みを浮かべた。
「なにを見てきた?」
「…海を…俺は海を見てきた」
「そうか…」
 カワラザキの大きな手が幽鬼の頭をくしゃくしゃと撫でる。
「海っていうのは男を大人にするものだ」
「うん…」
 同意しながら、幽鬼は今回のことが自分にとって大きな意味を持ったと確信していた。

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まいりぃまいろ

Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
レッドは絶対荒唐無稽な夢を見る。

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