GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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悪女

 カウンター席に座ったセルバンテスは、グラスを揺らして角氷を鳴らした。
 あまりブランデーは好きではないが、孤独を気取るにはちょうどいい酒だ。
 先ほどからやたらと話しかけられるのに閉口して、この場所に陣取っている。
 にぎやかなのは嫌いではないが、こんなお追従や上辺だけの言葉が飛び交う場所は気に入らない。
 ましてやそれがセルバンテスのご機嫌を取ろうとする言葉ならなおさらだ。
「こんばんは」
 あまり聞き覚えのない女性の声に、セルバンテスは億劫そうに顔を向ける。
「君は…」
 あの港の酒場にいた女だ。
「どうしたの。ふふ、知らない相手を見るような目をして…」
 あのときとは違う、この場にふさわしい小奇麗な格好をしている。
「いや…見違えた」
 セルバンテスは自分の隣の席へ彼女を促し、バーテンダーに同じものを頼んだ。
「なぜ、ここに…?君はあの港で、やっぱり海の男に酒を提供していると思ってたが」
「ふふ…神さまは見てたみたいでね、あれからなにをやってもうまくいかなくて、いろいろ渡り歩いていたの」
 彼女は差し出されたグラスに口をつけた。
「今はある男の、女」
 彼女の視線を追えば、でっぷりと太り下卑た笑いを浮かべている男がいた。
 関係者しか入れないはずのこのパーティに、彼女が入れたということはあの男が連れてきたのだろうと容易に想像できた。
「君の好みのタイプには見えないね」
「仕方なかったのよ」
 妖艶な笑みを浮かべていた彼女の表情が一変し、セルバンテスを憎しみの形相で見つめてくる。
「あんたの正体なんて知らなかった…あんたが消えてから、あの港はBF団に占拠されてあたしはあの港を追い出されたんだ…港湾事務所の男に聞いた。あんたがBF団の偉い人だったって…」
 ああ…とセルバンテスは納得した。
 あれからいくつかの土地を占有したが、その中にあの港が入っているなど知らず、港のことすら忘れていたのだ。
「人でなし!」
 彼女は小さいが強い口調でそう言い、グラスの中身をセルバンテスに引っかけた。
 突然のことに周囲は騒然となり、彼女の男がすっ飛んでくる。
「あ、ああ、お、お前、なんてことを…この方をだれだと…」
「いや、いいんだ」
 バーテンダーから受け取ったタオルで顔を拭いながら、セルバンテスは男を制した。
「ちょっとこの女性を借りてもいいかな。ふたりだけで話したい」
 うまくいけばセルバンテスに彼女をあてがって、組織内での自分の地位を上げられるかもしれない…男は快く承諾した。



 喧騒を離れ、防音の施された部屋へセルバンテスは彼女を連れ込んだ。
「さて、私はどうやって君に詫びたものか」
「ごめん…」
 少し冷静さを取り戻した彼女は、セルバンテスに近寄りシミのできたシャツに触れた。
「汚しちまったね…」
「かまわないよ。君の気持ちを考えればもっともなことだ…私は君の生きがいも、あの娘との思い出の場所をも奪ってしまったのだから」
「あたしは…」
 言葉を続けようとする彼女を止め、セルバンテスは部屋に備えてある端末でなにかを調べ始めた。
「あの男は…港一帯の土地を管理しているみたいだね」
「あ、ああ、そうだよ。それで、最初はあたしに港から出ていきたくなかったら自分の女になれって迫ってきたんだよ。あたしは言った通りにしたのに結局あの男はあたしを港から連れ出して、こんな退屈なことにつき合わせてるんだ」
「提案があるんだけど」
 無邪気な口調でそう言うが、セルバンテスの目はいつもの小狡い【眩惑】の目になっている。
「君、あの港の土地、欲しくない?」
「ええ?」
「さっきの話だとあいつは君のタイプじゃなさそうだし、私もああいう男は好きじゃないんだ。あいつがいなくなれば…君に権利をすべて渡るよう私が便宜を図ろう」
 それはすなわち男の死をほのめかす言葉。
 さすがにそれを聞いて彼女は戸惑う。
「で、でもそんなことをしたら、あたしが…」
「君も、私がどんな立場の人間かもうわかってるだろう?あいつなど自在にできるんだよ」
 この話を聞かされた限り、セルバンテスに賛同しなければ今度は自分の命が危うくなるのだろう…彼女は少し情けない顔で微笑んだ。
「あんた…怖い人だ…」
「いやいや。自分の復讐のために私を利用した君ほどじゃあないよ」
 そうしてまだ少し海の香りが残る彼女の髪を優しく撫でた。
「なにも心配しなくていいよ…君のことは私が全部引き受ける…」
 彼女はベッド脇に置かれたテーブルに歩み寄り、ふたつ用意されたグラスにワインを注いだ。
 ひとつを自分に、ひとつをセルバンテスに渡す。
「話はついた。乾杯だ」
「…乾杯」
 互いに軽くグラスを掲げ、誓うようにワインを飲んだ。
 彼女はあのときと同じ快活そうなセルバンテスを見ながら、この男にならすべてを委ねてもいいような気になっていた。

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ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
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