GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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きっと同じ

 彼女は珍しく車の止まる音に、ほんの少し驚いて玄関を出た。
 今日は本部のエージェントが日用品を運んでくる日でもないし、来客などあるはずもない…彼の来訪をのぞけば。
 その当人が車を降り、子供を連れてこちらへ向かってくる。
「まあ、どうなさいましたの。お珍しい…」
「いや、話せば長くなるが」
 セルバンテスの招きに応じて、彼の所有するリゾート地へ幽鬼を連れて出かけたまではよかったが、セレブリティな雰囲気に幽鬼は慣れず、しかもセルバンテスの使用人から向けられる奇異な視線に耐えきれなくなって、体調を崩してしまったために引き上げてきたのだという。
「そうでしたの…お気の毒に」
 幽鬼の話は以前カワラザキから聞かされており、彼女もその境遇には同情している。
「本当なら帰ってもよかったんだが、幽鬼が不安定なままだと心配をかける相手がいるからな」
 その幽鬼は、彼女が飼っているイヌの小屋へやってきていた。
 なついているのは彼女にだけで、荷物を運んできた本部のエージェントにでも平気で噛みつくので、荷運びの日は必ずつないでおくようにと言われるほどの猛犬だ。
 カワラザキに吠えかかるのは、どうやらカワラザキが恐ろしいために噛みつくなどできず、その代わり威嚇のために吠えているらしい。
「あら…」
 彼女が不思議に思ったのは、幽鬼が近づいてもイヌは吠えも噛みつきもせず、おとなしく頭を撫でられていることだった。
「ふ…ん、幽鬼は動物とも意志を通じ合えるからな。心配には及ばん」
「そういえば…」
 ふと思い出して、彼女はつい先日やってきた女性の話をする。
 カワラザキは苦笑いをしながら女性の素性について話してやった。
「まあ…それであの子があなたへのような態度をとった理由がわかりましたわ」
 カワラザキが縁側へ腰を下ろすと、イヌはやはり威嚇してきたが幽鬼になだめられていた。
「芯のお強そうな方ですわね」
 彼女は笑いながら台所へ向かう。
「妬いてるのか」
 少し意地悪な笑みを浮かべてカワラザキは言った。
 彼女はやはり笑ったままで振り向き答える。
「あなたにはたくさんの方がいらっしゃるから、そのたびに妬いていたのでは身が持ちません」
 彼女の作る夕食を食べ、今夜はこのままこの家に泊まることになった。


 夜半過ぎ、幽鬼はセルバンテスの別荘でのことを思い出して、悪夢にうなされ目を覚ました。
 酒の進んだカワラザキは高いびきで眠っている。
 そんな幽鬼にいち早く気付いて目を覚ましたのは彼女だった。
「いらっしゃいませ」
 彼女はそう微笑みながら、自分の布団へと幽鬼を招き入れきつく抱きしめた。
「大丈夫…幽鬼さまは旦那さまと同じで畏怖される存在になるべき方なのですから、なんの能力も持たない人間など意に介する必要はございません。大丈夫…旦那さまがついていらっしゃいます」
 彼女の柔らかい身体と甘い香りに落ち着かされて、幽鬼は強張った心が解けるような感覚で再び眠りについた。


「おかえりなさいませ、旦那さま、幽鬼さま」
 私邸へ戻ってきたカワラザキと幽鬼を夫人が出迎える。
 カワラザキは昨夜の酒が過ぎて、疲れた顔で荷物を手渡した。
「バカンスはいかがでしたか」
「儂はああいう場所はあまり好かんな。幽鬼もかえって疲れさせてしまった」
「まあ…」
「儂は少し休む。休暇中の話はそれから聞くとしよう」
「かしこまりました」
 カワラザキの言葉から、夫人は幽鬼が、リゾート先の心ない使用人たちによって傷つくような態度を取られたのだと察した。
「大丈夫でございますよ…幽鬼さまはいずれ旦那さまの後継となられる方なのですから、使用人たちの態度など気になさってはなりません。その者たちに幽鬼さまのお心など理解できるはずございません。私も執事さんも旦那さまもいらっしゃいます。決してご心配なさいませんように」
 優しく諭すような口調の夫人をしばらく見つめていた幽鬼は、やおら夫人に抱きついた。
「おやまあ…」
 夫人は幽鬼の見せたことのない行動に少し驚いたようだったが、すぐに幽鬼を自分から抱きしめてやった。
 幽鬼の鼻腔を甘い香りがくすぐり、夫人の身体の柔らかな感触に安堵する。
 のちに成長してから、幽鬼はあのとき彼女と夫人に感じたものは、本当の母親から自分には与えられなかった母性というものと同じなのだと知った。

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Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
レッドは絶対荒唐無稽な夢を見る。

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