GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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Stay with Me

 田舎のパブは顔なじみばかりで、それゆえ見知らぬ人間がやってくると客としてではなく、余所者扱いされることのほうが多い。
 この夜も頭からすっぽりとフードをかぶった女がドアを開けた。
 先ほどまでの喧騒が嘘のように、店内は一瞬静まり返り…女をじろりと一瞥しただけで、客も店主もまた談笑を始める。
 女は少しあちこちを見回し、カウンターに近いテーブル席に腰かけた。
 腰を落ち着けた女がフードを外したとたん、店内の音が一斉に止んだ。
 若く美しいがどこか異国を思わせる女は、客と店主を無関心から好奇心へ駆り立てる。
 酒の回った男たちが下卑た笑いを浮かべて、女のほうをちらちら見ながらささやきあう。
「なんにするね」
 薄汚れた前掛けの店主がタオルで手をぬぐいながら、女のテーブルへやってきた。
「あ…あの、ジュース…」
「おいおい、うちはパブだぜ。ジュースならホテルのラウンジにでもいきな」
 店主にそう言われて赤面した女は、少しためらってからきっぱりと言った。
「お酒をくださいな」
「酒ったっていろいろある。ビール…ってタイプじゃなさそうだが、スコッチかね」
「ではそれを」
 カウンターの中へ戻りながら店主は女を振り返った。
 先ほどの物言いから良家の子女らしい感じを受けるが、いったいなんの酔狂でこんな田舎のパブへやってきたのか。
 それにワインぐらいなら飲んだことがありそうだが、本当にスコッチを出したら困惑するのではないか…そう考えると面白くもあった。
 女は目の前に置かれた薄い琥珀色のグラスをしばらく見つめていたが、意を決したようにひと口含んだ。
 こんな田舎ではグレードの高い酒など出せもしないが、女が思った以上に失望の表情を浮かべたことに店主は少しだけ苛立つ。
 そしてそう考えたのは店主だけではなかったようで、若い男が女のテーブルに近づいていった。



「ここのスコッチは口にあわないかい?俺も同じものを飲んでるがね」
 女は男から視線を外しどぎまぎと答える。
「あ、お酒を飲むのは…そのスコッチというものを飲むのは初めてで…その、味を知らなかったものですから…」
「へええ」
 酒の勢いもあってか、男は女の向かいの席に陣取った。
「酒を飲んだことないって…じゃああんたはここへなにしにきたんだ」
「あ、その…人を探して…」
 そこでようやく女は自分がひとりこの店にいることが、どんなに不自然かを理解した。
「あ、あの、私、これで…」
「まあまあ待ちなよ」
 立ち上がろうとする女の肩を無理やり抱き寄せる。
「は、離してください」
「人を探してるなんて嘘つかなくてもいいんだよ。本当は男が目当てなんだろ?俺なんかどうだい?」
 下卑た笑いと酒臭い息に涙が出そうになってくる。
 女が抗おうとしても若い男の力は強かった。
 だれかに助けを求めようとして周囲を見回すが、しょせん余所者の女のことなどだれも意に介さない。
 そればかりか面白い展開を期待してにやにや笑いを浮かべるばかりだった。
「ほら、こっちきなって」
 男の胸の中へ抱き込まれそうになった瞬間、男の身体が軽々と吹っ飛んだ。
 店主も客も一瞬の出来事に驚きを隠せない。
「その女は私の連れだ」
 身なりのよい、葉巻を咥えた男がいつの間にか店の中に入ってきていた。
「騒がせたな」
 葉巻の男は店主に向かって指でコインを弾いてよこし、女の手を引いて出ていってしまった。
 店の外に止まっていたリムジンの後部座席に女を押し込み、自分も乗り込んで車を出させる。
「なぜあんなところにいた…」
 女は手が真っ白になるほど膝を握りしめた。
「アルベルトさまの世界を…少し知りたくて…」
「あんなパブには出入りせんが…私を探していたのではないのか」
 少し気恥ずかしく思いながらアルベルトはうぬぼれた質問を口にする。
 思えばこのところずっとに任務に明け暮れて、私邸に戻ることもほとんどなく連絡も取っていなかった。
「わかっていましたの…アルベルトさまがあのような場所にいらっしゃるはずはないと…だから私、あそこでならひとりでいられると、そう思って…」
「強がりを言うな。あの男に絡まれたとき私に助けを求めていただろう」
 黙ったままの女の目から涙がこぼれ始めた。
「泣くな扈三娘。泣かれたらどうしていいかわからなくなる」
「なら…少しだけ…傍にいてくださいませ…」
「ああ、無論だ。今しばらくは寂しがらせた分も含めてな」
 アルベルトの手が優しく扈三娘の肩に回された。

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Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
レッドは絶対荒唐無稽な夢を見る。

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