GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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Dear my little girl

 母親は腕の時計を確かめながら、少女を急かした。
「ほら、急いで。ママはもう出かけなくちゃならないんだから」
「だって私が今日、学校お休みってことは前に言ったじゃない。ママが忘れたから…」
「ええ、ええ、わかってるわ。でもママに急なお仕事が入ったってことも忘れないで」
 勉強道具とお気に入りの本を入れたカバンを持った少女は、母親と一緒に玄関を出た。
「あなたのことはお隣のお兄さんにお願いしてあるから。お昼はイタリアンのケータリングを頼んであるから、お兄さんと一緒に食べてちょうだい。遅くなるようなら連絡するけれどなるべく早く帰れるようにするわね」
 そうして少女の頬に軽くキスをして、母親は車を発進させた。
 少女はほんの数メートル先にある青年の家へ向かう。
 ドアの前で髪と服の裾をちょっと直してから、少女は丁寧にドアホンを押した。
「いらっしゃい」
 長身の青年がドアを開けて少女を出迎える。
「こんにちは、お兄さま」
 学生である青年は少女の隣家を借りて生活していた。
 そして隣家のよしみということもあり、仕事で留守の多い母親から頼まれて、学校帰りや休みの日の少女の面倒を見てやっている。
 少女にしても、青年は大好きな本の話をたくさんしてくれる人であり、優しい家庭教師であり…恋と呼ぶには稚拙な憧れの人だった。
 週末にたくさん出されたという宿題と悪戦苦闘している少女に、青年はそっと紅茶のカップを差し出した。
 最後の問題を解いて、一息ついた少女は恭しく礼を述べてカップを手にした。
「お兄さまのおうちって本当に素敵」
「どうして?」
 少女の向かいにある椅子に腰かけ、同じようにカップを傾ける青年が尋ねる。
「だって、面白そうな本がたくさんあるし、私の知らないものがたくさんあるし!ほら、これなんか!」
 少女は目を輝かせながら飾り棚の中に納まっている長煙管を示した。
「ああ、これは…私が研究している歴史的なもののひとつだよ」
「私も、いつかお兄さまと同じ研究がしたいわ」
「はは、そうだな。いつか…ちょっと待っていて」



 言葉を途切れさせた青年は立ち上がり、玄関へと向かった。
 ドアホンが鳴るより先にドアを開け、玄関先に立っていた黒服の男をきつい目でにらみつける。
「またきたのか…」
「あなたの研究をお手伝いするため、我々の研究所へいらっしゃいませんかというお誘いにまいっただけですよ」
 男は意味ありげな笑みを浮かべて青年に手を差し出した。
「だからその話は断ると言っている。私のような学生などではなく、もっと必要としている人の元にいくべきだ」
 何度も繰り返された押し問答…青年は男の真意を測りかねて、気味悪さすら感じ始めている。
「おや、今日はかわいらしいお客さまがおいでのようですね」
 玄関脇の窓から見えたらしい少女の存在に、男はなんとも言えない表情で笑う。
 青年はこの男が少女になんらかの危害を加えるのではないかと恐怖し、適当な返事をして玄関から男を押し出そうとした。
 その瞬間、眩い閃光と激しい衝撃が襲いかかってきた…。

 レンゲの畑が一面に広がっていた。
 どこまでもどこまでも続く紅紫の絨毯に、血の色よりも紅い夕日が射している。
「…紅い…」
 彼がそうつぶやいた瞬間、レンゲの花も夕日も消えた。
「…え…?」
 あの惨劇によって空の赤は町が燃える紅蓮の炎、そして足元の赤は花の色ではなく、倒れている男と少女の身体から流れている鮮やかな血の色に変わっていた。
「だれ…だ?」
 彼は思い出そうとして…激しい頭痛に苛まれて頭を抱え込み、その赤の上をのた打ち回る…。
「お気がつかれましたか」
 目を開ければ見慣れた部下の顔が見える。
「…私は…どうなっていた?」
「眠っていらっしゃるのだと思っておりましたら、激しくうなされ呻き始められたので…」
「そう…か」
 気を鎮めようと残月はサイドテーブルに置かれていた長煙管を手にした。
「よくない夢でもごらんになったのですか」
「いや…少女の…夢を…」
 それから自嘲気味に笑った。
「解こうとしても解けない謎を抱えているような夢だ…」
 その少女がいったいだれなのか、自分とどういうつながりがあったのか…今の残月には知る由もなかった。

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まいりぃまいろ

Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
レッドは絶対荒唐無稽な夢を見る。

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