GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

カンガルーポー:不思議

 12歳のサニーは樊瑞と孔明に連れられ、秋の装いを始めた山にきている。
「よろしいですか、サニー殿」
 孔明が説明しているのは訓練の一環として、この山の上にある洋館で一夜を過ごすというもの。
 もちろん携帯は使えないし、洋館の四方には樊瑞の呪符が貼られているのでサニーの魔法も使えない。
「テレパスでだれかに助けを求めるというのもナシですぞ」
「はいっ」
 初めての訓練らしい訓練とあって、サニーはいささか緊張した面持ちでうなずく。
「明日の朝には迎えをやるから心配はいらん。しかしワシの呪符はお前の魔法を防ぐだけ。獣や予期せぬアクシデントには対処できんから、そのあたりを注意するのだぞ」
「はいっ」
 サニーは最低限許可してもらった着替えなどを入れたバッグを背負って出発していった。
「大丈夫であろうか…」
 背の高い草や木に阻まれて、見えなくなってしまったサニーを思い樊瑞がつぶやく。
「ご心配なさいますな。あの方とてアルベルト殿のご息女…というより、そもそもあなた方が過保護になさるからこのような訓練をせねばならぬのですぞ」
 ブツブツという孔明をなだめながら樊瑞たちは引き上げていった。

 サニーは日が暮れる前になんとか目的の洋館を見つけ、扉を叩いた。
「そう…だわ。ここにはだれもいないんだわ」
 扉に貼られた樊瑞の呪符を見てつぶやく。
 軋む扉を恐る恐る開けると、そこは広いロビーになっていた。
 ロビーの正面には左右から伸びる二階への階段があり、ロビーの脇には埃まみれの応接セットが置かれている。
 右の階段の壁には大きな置時計があり、その時を刻む音がだれもいないロビーに響いていた。
 昔はホテルだったのだろうか。いや、こんなロケーションの悪い山の中にホテルなどあるわけがない。
 サニーは必死に頭を巡らせていろいろ想像するが、そうでもしていなければ静けさに押しつぶされてしまいそうだった。
 ようやく探し当てた明かりのスイッチをつけたが、電力が低下しているのかなんだか薄暗い。
 不意にガシャンという派手な音が聞こえた。
「きゃあっ!」
 思わず悲鳴を上げてしまったが、それは窓に当たってきたコウモリの仕業だとわかった。
「…なんだかお腹がすいちゃったわ」
 食料はあると聞いていたので、まず台所を探すことにした。
 台所は一階の奥にあり、こちらは水もちゃんと出る。
 だが火事などを想定してかコンロは使えなかった。
「なにがあるのかしら」
 冷蔵庫の電力は切られているようで、その代わりに食料棚の中から真空パックのローストビーフとサラダ、それから瓶詰の水が何本か見つかり、サニーはそれでささやかな夕食をすませた。


 次にサニーが探したのはバスルーム。
 慣れない山歩きのせいで汗をかいたので、それを流したかった。
 台所の水が出るならとシャワーのカランをひねると、やはり水が出た。
 やがてどこかにあるボイラーの音が聞こえてきて、冷たかった水は温かい湯に変わった。
 サニーは手早くシャワーを浴び、着替えや濡れたタオルをバッグにしまい、今度は今夜眠る場所を探し始めた。
 ぎしぎしと軋む階段を二階へ上がると、廊下の両側にいくつか部屋が並んでいた。
「本当に…昔はホテルだったみたい」
 そのうちのひとつに目をつけ、同じく軋むドアを開いて同じく薄暗い室内へ入る。
 かび臭くはないが、やはり埃っぽい。
 ベッドにはカバーがかけられていたので、状態はよかった。
 そのころには外はすっかり暗くなっており、フクロウや獣の鳴き声が聞こえてくる。
 正直怖くないと言えば嘘になる。
 さっさと寝てしまうことに決めた瞬間、ロビーの置時計が八回鳴った。
「ああ、びっくりした。あの時計、鳴るのね」
 部屋の隅にバッグを置き、ベッドに入って目を閉じる。
 いつもなら本でも読んで過ごす時間だが、この明るさでは本も読みにくそうなのであきらめた。
「ヒツジが一匹、ヒツジが二匹…」
 そのうちに気が遠くなっていった。

 目を開けたが外はまだ暗い。
 置時計が二回鳴った。
「あと…四時間くらい…」
 もう一度寝ようとしたとき、奇妙な音に気づいた。
 ぎし…ぎし…あれは階段の軋む音だ…。
 サニーは息をのんだ。
 ぎし…ぎし…あれは廊下を歩く音…。
 それからどん、どんと軽いノックのような音がした。
 そしてまたぎし…ぎし…と足音がする。
 サニーはまばたきひとつせずドアを見つめていた。
 魔法の使えないこの洋館の中では、サニーは知恵を巡らせて身を守らねばならないのだ。
 あのドアが開いたら…窓から飛び降りてでも逃げよう…そう思ったときだった。
「にゃあ」
 ドアをひっかくような音がして鳴き声が聞こえた。
 とても人が真似をしているような鳴き声ではない…サニーは大きな息を吐いた。
 おそらくどこからかネコがこの洋館に迷い込んできたのだ。
 ベッドを降り、そうっとドアを開けるとネコが廊下を歩いていくのが見える。
「待ってネコちゃん」
 どこから入ってきたのかよりも、今は自分以外に起きているものがいると思うだけで心強かった。
 ネコを追いかけて抱き上げる。
 そのときふと思い出した。
 ぎしぎしと階段や廊下を軋ませたのがこのネコだとしても、先ほどのあれは確かにノックだった。
 ネコがノックなどするはずない…それなら…。
 階段のほうへ目をやり、不気味な黒い影が見えた瞬間、サニーは洋館中に響く悲鳴を上げた…。

「つまり…覚醒と考えてよろしいのでしょうかね」
 約束どおり迎えにきた孔明は、車の後部座席に座るサニーを見ながら樊瑞に話しかけた。
「ああ、見事なものだ。ワシの呪符を弾き飛ばすような衝撃波を発したらしい」
「呪符だけでなく、窓ガラスもすべて吹き飛びましたがね」
 サニーはあのネコを抱っこしながらにこやかに話しかけている。
「それにしても…」
「ああ、不思議なことだ」
「なぜレッド殿や幽鬼殿や残月殿が、この外に気を失って倒れているのか」
 からかってやろうだとか心配でしかたなかったりとか、いろいろな理由はあるがその正体を見抜けなかったサニーの犠牲になったなど、だれも気づくはずはなかった。

*Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

Menu

FC2カウンター

プロフィール

まいりぃまいろ

Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
レッドは絶対荒唐無稽な夢を見る。

最近の記事

フリーエリア

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。