GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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禁区

 海は穏やかで風は晩夏の香りをはらんでいる。
 ほとんど人のこない浜辺近くの道路に一台の車が止まった。
 車から降りてきた青年は、堤防の上に腰かけている少女に気づいた。
「こんにちは」
 青年がにこやかに声をかけると少女も人懐っこそうな笑みを浮かべて挨拶を返してきた。
「こんにちは。お兄さんはどうしてここにきたの?」
「この近くの店にサーフボードの修理を頼んでいてね、それを取りにきたんだよ」
「取りにきただけ?」
「うん」
 青年がそう答えたとき、少女がなぜか安堵の笑みを浮かべたように見えたのは気のせいだったのだろうか。
 どちらにしても今日の海はサーフィンには向かない…青年は少女に手を振って目的の店へと入っていった。

 修理を依頼してあった愛用のサーフボードは、修理前よりはるかに素晴らしくなっていた。
 青年の陽に焼けた前腕には魔除けの意味を持つタトゥーがあり、店主はボードを修理するついでに彼のタトゥーと同じ模様をボードに描いてくれていた。
 青年が意気揚々とボードを抱えて出てきたとき、少女はまだそこにいた。
「きれいなボードね」
「新品同様だよ」
 気をよくした青年は少女にボードを見せてやる。
「この模様、お兄さんの腕にあるのと同じね」
「これはね、俺の魔除け…お守りみたいなタトゥーなんだよ。サービスでボードにも描いてくれたらしいんだけど…きっと次の大会で優勝できるかもしれないね」
「お兄さん、サーフィンの選手なのね」
「そんなにいいものじゃないけど」
 そこまで話して青年は自分の頬にあたる風が強くなっていることに気づいた。
 ふと沖合を見れば波が高くなってきている。



 この海岸にくるのは初めてだが、いい波がやってきているのは間違いない…新しいボード、最適な波、目の前の愛らしい少女に少しいいところを見せたくなり、青年はボードを抱えて浜辺へ向かう。
「待って!」
 少女は大急ぎで青年を追いかけ、シャツの裾を引っ張って止めた。
「今日は滑らないって言ったじゃない」
「こんないい波はめったにないよ。新しいボードの調子も試したいし」
 青年は少女に笑ってシャツを脱ぎ始める。
「今日はダメよ!だって…だって私、死神なんだから!」
 突拍子もない言葉が信じられるはずもなく、青年は笑いながら少女に言った。
「大人をからかっちゃダメだよ。君みたいな愛らしい死神がいるわけないだろ。大丈夫、少し滑ってみるだけだから」
 なおも止めようとする少女に背を向け、青年は沖へと進んでいく。
 波は沖からくるのではなかった。
 青年の真下になにやら黒い影が映ったと思う間もなく、水面が激しく盛り上がった。
「う、うわ、うわーっ!」
 青年の悲鳴は水音にかき消され、青年の存在など知らずに水面から立ち上がったのは一台のロボット。
 海底のさらに地下を進んできたネプチューンがいったん浮かび上がる地点、それがこの海岸だった。
 肩のあたりに立つマントをなびかせる少年に、少女は浜辺から手を振る。
 少女の姿を見とめた少年は微笑んでうなずいた。

 数十分後には海は元のように穏やかさを取り戻し、風も凪いでいた。
 少女は波打ち際を歩きながらつぶやく。
「ここは特別な日には立ち入り禁止。でも仰々しいことをすると怪しまれるから私が制止しにきているの…だから私は死神だって言ったのに」
 立ち止まって視線を落とした砂浜に、見覚えのあるタトゥーのちぎれた腕が同じ模様のサーフボードの残骸を握りしめて打ち上げられていた。
「お守りは…役に立たなかったわね」
 少女は無表情にそう言って立ち去っていく。
 腕とボードの残骸は幾度か波に洗われたのち、波間に消えて見えなくなってしまった。

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まいりぃまいろ

Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
レッドは絶対荒唐無稽な夢を見る。

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