GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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虚実

 彼は大学の構内を散策していた。
 すでに必要な学問はすべて修めてしまった彼にとって、今や授業は退屈なものでしかない。
 彼にはなにもかもが備わっていた。
 貴族としての地位、十分な財力、そして…常人にはない能力。
 今は学生という身分のために、その能力を使うことは許されないが試したくて仕方がないというのが本心だった。
 ふと人の気配を感じて足を止めた。
 そちらへ目をやると異国の服装を身にまとった、年の頃は自分と同じくらいの青年が立っている。
「だれだ」
 腕を組み、まるで自分を品定めするかのように眺めて返事をしない青年にいらだった。
「部外者か、不審者か」
 やはり返事はない。
 彼は内心ほくそ笑んだ。
 不審者ということならば、今この場で己が能力によって屠ったとしても咎められることはない。
 彼はまだ十分にコントロールできているとは言いがたい力を、青年に向かって放ってみた。
 その力は青年を吹き飛ばすはずだったのに、青年は難なくそれをよけてみせた。
「なん…だと?」
「素晴らしい力だね」
 青年は口の端をわずかに歪めてそう言うと、その場にひざまずいて自分の影に声をかけた。
「いかがでしょうか」
 思わず身構えた彼の前に、青年の影からふらりと人影が立ちあがる。
「ええい、奇妙な連中め!」
 再び掌を向け力を放ってみたが、それは少年の形をとった影によって吸収されてしまった。



「なにをしても、僕には無駄だ」
「小僧!」
 ならば力ずくでと襲い掛かった彼を止めたのは青年。
 まともに拳を食らった青年はその場に倒れ込み、すぐに起き上ってきた。
「ほんとに君は強いな。さすがにBFが見込まれただけのことはある」
「BF?なんの話をしている?」
 少年は微笑んで言う。
「君は…他人の心が読める能力を持っている。ならばその力で僕の心を読んでみてはどうかな」
「フン」
 少年の心を読む必要などなかった。
 彼が心を読むより先に、激流の如くに少年の意志が彼の脳に流れ込んできたのだ。
 それは少年に対して彼がどれほど非力であるのか、少年がどれほどこの世界を憂いているのか、そして少年がどれほど崇高な存在であるのか…それらが一度に流れ込んできて彼はパニックを起こした。
 頭を抱えてその場を転げまわる彼に、青年が心配そうな目を向ける。
「大丈夫なのですか」
「これくらいで壊れるような人間ではないよ」
 激しく胸を上下させてあえぐ彼を、少年は冷たく見下ろした。
「僕のことはわかってもらえただろう。君は自分の持っているその力を使いたくてうずうずしている…ならばそれを僕のために使わないか」
 青年は彼に手を貸して起こしてやった。
「崇高な理想のために働いてみないか。君も…退屈な日々を壊したいんじゃないのかな」
 彼は青年を見た。
「…貴様も…同じ思いだったのか…」
「たぶんね」
 肩をすくめてみせる青年の手を放し、彼は立ち上がり服の埃を払った。
 そして意外なことには…少年の足元にひざまずいたのだ。
「お連れください…そして、この世界を私の手で破壊し、創り直しましょう」
 少年は目を細め満足そうにうなずいた。

 その日から彼の姿は消え、再び人の前に現れたときには以前のものではない「衝撃のアルベルト」という名を持ち、人々を恐怖に震え上がらせた。

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Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
レッドは絶対荒唐無稽な夢を見る。

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