GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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熱砂

 彼は砂漠の中に建つ巨大な塔の上で暮らしていた。
 塔の中にはなんでも設えてあり、彼は自由気ままに暮らしていられた…塔から出ることをのぞけば。
 彼の日課は、何重構造にもなっている窓から遠くの市場や街を眺めること。
 そしてそこに暮らす人々を想像するのが好きだった。
 もっとも砂嵐のひどい日はその街すら見えずに失望することもしばしばだった。

「やあ」
 眼下に広がる砂を眺めてため息をついたときだった。
 不意にかけられた声に振り向けば、彼より少し年嵩の少年がそこに立っていた。
「だれだ」
 ここに入れるのは決められた人間…彼の両親だけ…のはず。
「警護の人間を呼ぶよ?」
「呼んでもかまわないよ。僕の姿は君にしか見えないから」
 彼がよくよく目を凝らすと、確かに少年の姿は少し透き通っていて自分以外には見えないというのは本当かもしれないと思えた。
 少年は身構える彼の緊張を解こうと思ったのか、人懐こい笑みを浮かべて周囲を見回した。
「いい部屋だね」
「檻だよ」
 彼は吐き捨てるようにそう答えた。
「私の父はオイルダラー…巨万の富を手にしている。そして父の一族はその恩恵にあずかろうと必死なんだ」
「ここは君を守るための場所なんだろう?」
「いちおうね」
 彼の父が亡くなった場合、その遺産は莫大なものになり、当然のことながら相続争いが起きる。
 相続争いの際に相続人が少ないに越したことはないと考える者があり、妻子は常に命を狙われていた。
 彼とて例外ではなく、父の第二夫人である彼の母はこのような塔を建てさせて彼を守ろうとした。
「先週、従兄弟のひとりが死んだんだ…殺されたってのはわかってるよ」
「自由か死か、というところだね」
「こんな檻の中に閉じ込められているなら、いっそと思うこともあるよ」



 少年は彼に近づき、額に手をかざした。
「君は…外の世界に憧れているんだね。この世界は…こんな場所だよ」
 貧困、戦乱、無秩序…さまざまな負のビジョンが彼の脳に流れ込んでくる。
「う、嘘だろう。だって私がいつも見ている人々は…」
「それはごく一部の人間だ。僕はこの差分を解消したい。僕自身が新世界の神となる」
 少年はもう笑ってはいなかった。
 その目に、固い決意と…少し冷酷さの混じった炎が宿っている。
「わ、私も…私も一緒にいけるかな」
 勢い込んで尋ねた彼に、少年は再び微笑んだ。
「今は無理だね」
「なぜ?君が私の前に現れたのは、私を誘いにきてくれたんじゃないのか?」
「今は、だ」
 彼の前で少年の姿が少しずつ薄らいでいく。
「ここから出たいと、世界を変えたいと毎日思うんだ。君の中の秘められた能力が大人になったとき開花する。そのときが…僕との約束のときだ」
「約束…」
「そうだ。君を約束の地へ連れていき、僕の下で新世界創造のために動く…気に入らなければそのとき拒めばいい」
「拒んだりするものか。私は…私はきっと…!」
 少年が目を細めた。
「待っているよ」
 そしてそれきり姿は消えてしまった。
 彼はあわてて周囲を見渡したが、隠れるような場所もなければ幼稚なマジックでもないとすぐにわかった。
「本物…本物の神に、私は出会ったんだ…」
 彼自身の信仰を捨てるわけにはいかない。
 だが、この日から彼の心の中にはもうひとりの神があるようになった。
 そして彼は…大人になる少し前に自身の能力に目覚め、少年と再会することになる。

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まいりぃまいろ

Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
レッドは絶対荒唐無稽な夢を見る。

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