GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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夜啼き鳥劇場の呪い

 探偵である幽鬼のところへ樊瑞卿がやってきたというのに、同居人である残月は「大鴉屋敷」の事件以来、樊瑞卿から逃げ回っている。
「いやサニー嬢の気持ちは嬉しいのだが、受け入れたら私は社会的に抹殺されてしまう」
 サニー嬢はまだ12歳となれば慎重になるのもうなずける。
 とにもかくにもそういう理由で、今回は幽鬼が持ち込まれた依頼を聞くことになった。
「町はずれに夜啼き鳥劇場という建物があるのを知っているかね」
 それは10年近く前、まだ幽鬼も残月もこの町へやってきていなかったころに、火事で燃えてしまった劇場と聞いている。
「実はあの劇場を私が買い取り、新たな劇場として再生しようと思っているのだ」
「それで、俺にはなにをやれと」
「うむ。先に情報を収集させたところ、あの劇場には呪いがかかっていると噂されていた」
「呪い?」
「劇場にバレリーナの幽霊が現れるそうだ」
「10年前の火事で亡くなったとか?」
「さあ、それはワシにもわからん。なにしろひどい混乱で被害者がいたのかいなかったのかすらわからない状況だったらしいからな」
 そこで樊瑞はいったん言葉を切り、身を乗り出してきた。
「幽鬼殿は呪いだとか幽霊だとか…そういうものにも詳しいと聞いた。ぜひお願いしたい」

 そんなわけで今、幽鬼は惨劇のあった劇場の前に立っているのだった。
 火災があったという割には建物が崩れている様子もなく、壁のあちこちに煤の跡が見られる以外は廃墟とは思えない。
「呪い…か」
 樊瑞に借りた鍵で正面玄関の扉を開け、ロビーへ入る。
 当時のものがそのまま残っており、幽鬼はケースに入っているパンフレットを1部失敬した。
「ずいぶん広い劇場だな。この建物の中にバレエやマジック、人形劇の舞台まで入っているのか」
 何気にそんなことをつぶやいた瞬間、人の気配を感じて振り向いた。
 しかし人影などどこにもない。
 第一、ロビーにも焼け落ちたと思われるガラスの破片など散乱していて、足音を立てずに歩くなどできない。
「入ってすぐに中から鍵もかけたし、な」
 気のせいだと思い直し、まずは人形劇の舞台へ向かった。
 舞台も少し燃えた跡があったが、人形劇の人形や道具もそのまま残っている。
「これかな」
 舞台脇にあるスイッチを入れると、幕が開き、軽快な音楽とともに人形劇の背景が動いた。
 かちゃりという音に目をやると、鍵が落ちている。
「鍵…どこのだ」
 ピエロの飾りがついたその鍵は、舞台の横にある控室のものだとわかった。
 控室には演者の荷物が…私物ではないだろうが…いくつか置かれている。
 不躾を断って引出しを開けると、走り書きのメモが出てきた。
【オーナーが……プリマが……逃がせ逃がせ……】
 焦げていて部分的にしか読めない。
「オーナーは…だれだ?」
 また視線を感じた。
 振り向くがだれもいないのは先ほどと同じだ。
「呪い?幽霊?」
 幽鬼は人形劇の舞台をあとにした。



 階段を上がったところの壁に、この劇場で最高のバレリーナであったプリマの肖像画がかけられていた。
 もっとも、それにしても火災の影響で顔も名前もわからないという悲惨な肖像画だったが。
「ここから近いのは…マジックの舞台だな」
 客を避難させるため、舞台の入り口は開いたままだった。
 マジシャンは空中浮遊を得意としたようで、パンフレットの謳い文句には【飛ばせぬものなどありません!】と書かれている。
 幽鬼はまっすぐに舞台ではなく、控室へ入ってみた。
 ファンへサインを書いている途中で火災に見舞われたのか、控室のテーブルにはサインのための写真が置かれている。
 その写真を取り上げた幽鬼は思わず驚きの声を上げた。
「これは…大家さんじゃないか!」
 そこに写っていたのは、まだ若いころのカワラザキ…幽鬼と残月の下宿しているアパートの大家だった。
「マジシャンとは知らなかった…ん?」
 また気配を感じたが、もう無視することにした。
 そしてメーキャップ用のドレッサーの下に落ちているメモを発見した。
【オーナーめ!セルウィックめ!下劣極まりな…】
 日記の一部とも思えるが、残念ながらここまでしか読めない。
「オーナーはセルウィックというのか…待てよ」
 さっきまではぼんやり眺めていたパンフレットを、よくよく観察していると裏側にオーナーの写真がある。
「…セルバンテス…」
 どちらが偽名なのかはわからないが、どうやらこの劇場はあの怪盗セルバンテスが建てたものらしい。
「そうなるとプリマの部屋も調べてみたほうがよさそうだな」
 ひときわ華やかなバレエの舞台、その脇に広い控室と豪華な控室があった。
 広いほうはバレリーナのため、そして豪奢なほうはプリマのためとわかる。
 厳重に掛けられた引出しから日記らしきものが出てきた。
【…私はマジシャンを愛してる…でもオーナーが…】
【オーナーから自分かマジシャンかを選べと言われた。でも断ればこの劇場を燃やすと…】
【マジシャンになら、殺されたっていい。永遠の愛を誓って】
 幽鬼は日記を閉じ、元通り引出しの中に片づけた。
「どちらが先かは知らないが、プリマはオーナーを拒絶し、マジシャンによってか自らか死を選んだ。そして拒絶されたオーナーは劇場に火をかけた…こんなところでどうだろう」
 わざと声に出したのは理由がある。
「違っているかな、プリマ」
 ことりと小さな音がしてチュチュ姿の女性が現れた。
「なぜ…」
「霊的なものの気配は感じなかった。玄関ホールにしたってそのトゥシューズなら足音を立てずに歩けるだろう。そして劇場に詳しいから俺の知らない出入口などいくらもあるからな。それで10年前、あんたは火事が起きたのを幸いと自分が死んだことにしたかった…オーナーから逃げるために」
 ややあってからプリマは深くうなずいた。
「ええ、そうです。すべての計画はマジシャンが立てました。私はオーナーを拒絶し、彼が私の遺骸を抱えこの劇場に火をかけたのです」
「なんだと」
「私たちは燃え盛る炎の中で死んだことになっているはずです。ねえ」
 プリマが振り向いた後ろからマジシャン…カワラザキが現れた。
「知られてしまったからには…帰せんのう」
「え?」
「劇場を燃やしたとわかれば賠償金も発生する。ワシには財産などない」
「ごめんなさい。私が踊りたいばかりにここへ通っていたから」
 プリマを抱き寄せ、カワラザキがまっすぐ幽鬼に近づいてきた。
「呪いが探偵を殺した…これで余計に近づく者はいなくなる…」
 カワラザキの手とプリマの手がゆっくり伸びてきた…。

「わーっ!」
 ソファで転寝をしていた幽鬼の横にカワラザキが座っていた。
「なんじゃ、うなされておったが」
「い、いや、なんでも…」
 先ほどのは夢であったとわかったが、どうしても確かめたくなってくる。
「なあじいさま」
「ん?」
「じいさまはその…昔マジシャンだったのか」
「ほう、よく知っておるの!夜啼き鳥劇場で花形と呼ばれたものよ」
 遠い目をして懐かしそうに笑う。
「その、プリマとは」
「なんじゃ幽鬼、どこまで知っておるんじゃ。まあ、昔のワシは浮いた噂に事欠かなかったからのう。いやいや照れるわい」
「プリマは…どうなった?」
「あーあれはワシの嫁になってな。今は故郷のほうで農業やっとるよ」
「えーと、いろいろ聞きたいんだが」
「よかろうよかろう。じっくり話してやるわい」
 昔のアルバムを山ほど取り出してきて、カワラザキの話が始まった。
 幽鬼の見た夢のような落ちはなさそうだが、このまま付き合わされていたのでは樊瑞の依頼はこなせそうにないとも思った。

 で、呪いってなんだったの?
 それはどうやら売り出したくなかったセルバンテスが流したデマだったようです。

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まいりぃまいろ

Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
レッドは絶対荒唐無稽な夢を見る。

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