GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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チューリップ:美しい目(孔明)

 孔明はペンを走らせている手をふと止めた。
 視線を感じて顔を上げれば、孔明を見ているサニーと目があった。
 サニーは微笑むこともせず、ただじっと孔明を見つめている。
 その赤い瞳を見ているうち、孔明の背を冷たいものが流れ、ペンを持つ手が小刻みに震え始めた。
「なん…ですかな、サニー殿」
 無理に笑顔を作ってそう尋ねると、サニーは少し戸惑ったような顔で答えた。
「いえ、あの…孔明さまのお顔を見ているうちに、なんだかすごく昔のことを思い出しそうで…おかしな話ですわね。私が孔明さまとお会いしたのはここにきてからですのに」
 サニーはごまかしのような笑みを浮かべ、顔を自分の机に戻してまた仕事にかかった。
 孔明はというと、それ以上執務を執る気になれずアシスタントにひと言伝えて部屋を出た。
 ドアを閉めた途端、まるで深海からでも戻ったかのように荒い呼吸をする。
…あの瞳が恐ろしい…。
 それは孔明の心の奥底にずっとあった恐怖。
 だれかに相談したくとも、だれにも話せなかったなにかが、ずっと孔明の心にある。
 こんな滑稽な自分を見せられるのは樊瑞くらいしか思いつかないが、できない理由があった。

「珍しいこともあるものだ。お主がワシを訪ねてくるとはな」
 敵視されていてもかまわない。
 今はただ、だれかに告白したい…そんな気持ちを抱えて孔明はカワラザキの元を訪れた。
「ほほう、さらに珍しいことにはお主、震えておるのか。幽鬼、孔明に熱い茶を入れてやりなさい」
 せっかく幽鬼の入れてくれた茶だったが、この震える手ではカップがやかましく鳴りそうで手にするのをやめた。
「幽鬼殿もいらっしゃるのならちょうどいい。私の…ずっと気になっていることを聞いていただきたいのです」
「申し訳ないが俺はカウンセラーではない。貴様が悩みを話したいのなら専門の医師にでも聞いてもらうのだな」
 幽鬼が冷たく言い放ったが、カワラザキは苦笑しながら首を振っただけだった。
「お前が聞きたくないのなら席を外して構わんぞ」
 幽鬼はそうすると言うようにカワラザキの部屋を出ていった。
「ワシでよいのなら話してみよ」
 孔明は思い切ってサニーの瞳が恐ろしいということを話したが、カワラザキは嘲笑せず真剣に聞いてくれた。
「それに…お主は覚えがあるのか」
 孔明は目を閉じ、深い息を一つしてぽつりぽつりと話し始めた。



 孔明にとって扈三娘はある意味邪魔な存在だった。
 生まれたばかりのサニーを組織に差し出せと命じても、母親としては当たり前だろうが拒否する。
 いつサニーを抱えて国警へ走らないとも限らない彼女を、孔明はついに手にかけた。
 どうやって殺したのかは覚えていない…ただ、息絶えた彼女の隣にあるベビーサークルから、サニーがあの赤い瞳で孔明をじっと見つめていた。
 若く、浅はかな行動だった。
 アルベルトがいる限り、彼女が裏切るはずはないのに、焦るあまりに自分はなんということをしてしまったのか。
 サニーの赤い瞳が孔明を責めている…そう思ったとたん、後悔と罪悪感が一度に押し寄せてきて、孔明はその場からあわてて逃げ出した。

「ワシにはどうしようもない話じゃな」
 カワラザキは深く息を吐き、孔明の肩に手を置いた。
「いっそサニーに懺悔してはどうかな。サニーがお主をどうするかはさておき、お主の心の荷は少し軽くなると思うぞ」
「懺悔…」
 サニーは怒るだろうか、詰るだろうか。それともその場で孔明を殺すだろうか。
 怖くないと言えば嘘になる。
 だが、このまま迷いを持ち続けていては自分の仕事にも支障が出る。
 孔明は自分の執務室に戻り、人払いをしてからサニーに先ほどの話をしてみた。
「孔明さま…?」
「私は!私はあなたにどう責められようと覚悟の上です。しかし…」
 なおも話し続けようとする孔明を、サニーが止めた。
「…悪い夢を…思い込んでいらっしゃったのですわ」
「え?」
「母は…病で亡くなりましたのよ?」
 愕然とする孔明にサニーは言葉を続ける。
「私は母の最期を看取りました。そののち、ここへきて樊瑞さまのお世話になったのです。ですから…孔明さまが赤ん坊の私を見ていらっしゃったり、母を殺すなんてできませんわ」
「で、では私はなぜ…」
「私にもよくわかりません。でも孔明さまの中で母の存在が重くなって、いつかそうしなければという願望がおありだったのではないでしょうか。その願望だけが独り歩きしていつしか偽りの記憶になってしまった…そういうこともあると、以前幽鬼さまからお聞きしたことがあります」
 本当に、そうなのだろうか。
 しかしサニーが嘘をつく必要はどこにもない。
 自分が勝手にそう思い込んで、勝手にサニーを恐れていただけなのだ。
 孔明は少し情けない顔でサニーに微笑んだ。
「よかった…」
「今、熱いお茶をお入れしますわ。お待ちくださいね」
 そう言ってにっこりと笑ったサニーの瞳を、孔明はようやく美しいと思えるようになった。

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ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
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