GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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RIPPLE

 カワラザキが単独で襲われた、という話はすぐ本部に入ってきた。
 カワラザキほどの能力者であればたとえどんな敵であっても後れをとったりはしないのだが、相手が金品目的の一般人だったことや、事を荒立てて国警にでも見つかるのは不味いと抵抗しなかったのが悪かった。
 腕に銃弾を一発食らい、倒れこんだところを足蹴にされて金を奪われたらしい。
 単独行動を取っていたとはいえ、近くに身辺を警護するためのエージェントがおり、すぐに駆けつけて犯人を殺し、カワラザキを本部に運んできた。
 医務室で施術を受けるのとほとんど同時に、任務から戻ってきた幽鬼が待機していた樊瑞たちのところへ走り寄ってきた。
「じいさまが襲撃を受けて怪我をしたというのは本当か!」
「うむ」
 樊瑞は腕を組んだままでちらと手術室を見る。
「たいした怪我では…」
 そう言いかけた瞬間、幽鬼が通路に響き渡るほどの大声でわめき始めた。
「だれがやった!どこのどいつが…!」
「落ち着け幽鬼、相手は普通の人間で、単なる強盗目的だ。それもすでに殺して…」
「だれだ!だれがじいさまについていた!」
 カワラザキを案じて、樊瑞のすぐそばにいたエージェントが小さくうなだれるのを見逃さなかった。
「貴様か!」
「よさんか幽鬼!」
 胸倉につかみかかろうとするのを樊瑞が止める。
 興奮した幽鬼は樊瑞にまで食ってかかってきた。
「樊瑞、貴様がじいさまをひとりでいかせたのか!どんな任務で…!」
「幽鬼…!」
 憤って振り上げた腕をつかまえ、樊瑞はなんとか幽鬼をなだめようとする。
 しかし幽鬼の興奮は治まらなかった。
「樊瑞…!」
 その幽鬼が、いきなり樊瑞の足元に崩れ落ちた。



 樊瑞が幽鬼を見下ろし、顔を上げるとそこには残月が立っていた。
「針で眠らせた」
「助かったぞ、残月」
 樊瑞はほっと息をつき、袖を捲り上げる。
 幽鬼のつかみかかった手型がくっきりと残っていた。
「珍しいこともあるものだ。暮れなずむがここまで興奮するとは…」
「じいさまのことになるとな…」
 苦笑する樊瑞の前で煙管の煙を吐き、残月はそばのエージェントに命じて幽鬼を運ばせた。

 幽鬼が目を覚ましたのは、夜になってからだった。
「ここ…は?」
「気がついたようだな」
「白昼の…」
 起き上がった幽鬼に香りの強い茶を勧めながら、残月はベッド脇の椅子に腰を下ろした。
「そうだ、じいさまは…!じいさまはどうした」
「案ずるな。激動ならばとっくの昔に治療を終えて、自室に戻っている」
「そう…か」
 ようやく幽鬼は安心したように微笑んで、カップに口をつけた。
「激動のこととなると、我を忘れるか」
「ああ…うん」
 そこで初めて、錯乱にも似た自分の行動を思い出し赤面した。
「俺にとって…じいさまは大切な人だから。じいさまがいなくなったら、俺にとってこの世界は…」
 その様子を想像したのか、幽鬼は顔を覆ってしまう。
「まるで…波紋のようだな」
「え?」
 残月を怪訝そうに見つめた。
「激動の怪我という小石が貴様の水面に投げ込まれ、それは波紋を作って貴様の心に広がっていく。波紋が広がれば貴様の心は乱れ尋常でいられなくなるのだ」
「そう…かもしれん」
 残月は立ち上がった。
「激動の怪我はすぐによくなる。今は眠っているようだが明朝、見にいくといい」
「ああ」
 背を向ける残月に、幽鬼はためらいがちに声をかけた。
「波紋が消えなければ…どうすればいいんだろうな…」
 残月はドアを開け、幽鬼に背を向けたままで答える。
「波紋など起きないようにすればよかろう。柔らかな水ではなく、わずかなことでは波紋など起きぬよう凍らせてしまうか…なにも投げ込まれぬように閉ざしてしまうかだな」
 その背中を見送った幽鬼だったが、残月がポツリと漏らした言葉を聞き逃さなかった。
「私のように」
 幽鬼は目を閉じて、呪文を唱えるようにつぶやく。
「波紋が…消えない…簡単には…消えてくれない…」
 わけもわからず、涙がひとすじこぼれた。

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Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
レッドは絶対荒唐無稽な夢を見る。

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