GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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はんこ好きな方々へ捧げるSS

 ようやく季節が冬から春へと変わり始めた日のこと。
 孔明は窓から差し込んでくる陽光の眩しさにカーテンを引こうとして、中庭に樊瑞の姿を見止めた。
 なんとなくこちらを見上げているような気がしたので、言いたいことがあるのならこちらから出向いてやろうと孔明はわざわざ中庭へ出ていった。
 樊瑞の間近へいってみると、樊瑞の視線は孔明の部屋よりももっと違うところにあると気づいた。
 ほっとしたような、少々苛立たしいような気分になりながら、孔明は樊瑞に声をかけた。
「なにをしておいでです」
「おう、孔明か」
「春は名のみで、風もまだ冷たいというのに…」
 羽扇で口元を隠しながら冷ややかにそう言うと、樊瑞は少しの間ののち豪快に笑って孔明の肩を叩いた。
「いやあ、お主がうらやましい!」
「はぁ?」
 相変わらず意味のわからないことを言う男だと思いながら、孔明は樊瑞の次の言葉を待った。
「あれだ」
 樊瑞の指さすほうを向けば、中庭の紅梅にわずかな花がついているのが見えた。
「紅梅…ですな」
「おそらく今年最初のな」
「それと私と、どう関係があるのです」
 樊瑞は目を細め、微笑んで言った。
「冬の寒さに耐え、ようやく咲いた花を詩(うた)にできればどんなにいいかと思ってな。ワシは無頼の徒であったからそのような才能はない。しかしお主はあの花を見ただけで先ほどのような言葉をつらつらと紡ぎ出せる…それがうらやましいと言ったのだ」
 目を輝かせる樊瑞に孔明はため息をつく。
「詩など心の赴くままに詠われればよろしいでしょう。韻を踏み、対句を…」
「ああ、ダメだダメだ。そのようなことを考えると頭が痛くなる」



 子供のように無邪気な樊瑞に呆れながらも、孔明はそばから離れなかった。
「まさか…私に詩の作り方を教えよとおっしゃるのではありますまいな」
「さっきも言ったであろう。ワシはそのようなことは苦手だ、と」
 そうして樊瑞はまた紅梅へ目を向けた。
「あの木の花が全部咲いたらさぞかし見事だろう。そのときには梅見を楽しむのもいいな」
 紅梅を愛でる樊瑞がなんとなく憎くなって…孔明は樊瑞を横目で見ながら揶揄するような口調になった。
「梅見の宴でもお開きになりたいので?紅梅を褒めながらも、結局あなたはそれを口実にお飲みになりたいだけではないのですかな」
 樊瑞は一瞬きょとんとした表情になったが、すぐにまた豪快に笑って今度は孔明の背を叩く。
 それがあまりにも強い力だったので、孔明は咳き込みながら樊瑞をにらんだ。
「いや、すまぬ。まったくお主の言う通りかもしれんなあ…しかし、梅見の酒も悪くないものよ」
 そう言ったあとで樊瑞はなにかを思いついたように手を叩いた。
「そうか!宴をするときには必ずお主も呼ぼう!そうすればワシが詠わずともお主が詩を作ってくれる…!」
「な…!」
 突拍子もない言葉に孔明は戸惑い、慌てふためいた。
「私は忙しい身なのです。梅見などと暢気なことは…おまけにあなたは私を詩作りかなにかのように…!」
「まあそう言うな。そのようなことはお主にしか頼めんのだ。それにお主と飲む酒は美味い」
 いつもそうだ…この、樊瑞の勢いに呑まれて、孔明は結局なにも言えなくなっていろんなことを了承してしまうのだ。
「私の都合と、あなたの空き時間と、紅梅の盛りが一致すれば、の話ですが、詩のひとつふたつは詠んで差し上げないこともありませんな」
 どちらにしても押し切られてしまうのだからと、孔明はいちばん確率の低そうなことを言ってみた。
「いや、それは楽しみだ。紅梅と詩と酒か…うむ、実に楽しみだ」
 樊瑞は満足げにうなずきながら、ぽつりとつけ加えた。
「…それも口実かもしれんが」
「え?」
 聞き返そうと孔明が振り向いたときには、もうすでに樊瑞の姿はなかった。
「フン」
 孔明は一輪だけの紅梅をちらと見やり、口の中で詩の文句をいくつかつぶやきながら部屋へ戻っていった。

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Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
レッドは絶対荒唐無稽な夢を見る。

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