GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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茶話

 外には今にも雨が降りそうな灰色の雨雲が垂れ込めている。
 自室に戻ってきた十常寺は、まず縮めていた背を元に戻し、それからまっすぐ洗面所に向かって付け髭を外し顔を洗って特別なメイクを落とした。
「ふぅ」
 小さく息を吐いて鏡の中の、あのアンプルのおかげで若返った顔をのぞきこむ。
 アンプルの薬品を飲んでいなかったら…メイクをしていたほうがいいと、いつも思っていた。
「お疲れ」
 先にテーブルについていたカワラザキが、湯の沸いたポットを火から下ろしているところだった。
「雨が降ってきそうだね」
 十常寺は窓の外を見て、外向きに開いていた朱塗りの窓を閉めたが、鬱陶しいのでカーテンは閉めなかった。
「その顔が、楽か」
 少しからかうような口調でカワラザキがそう言うと、十常寺は茶棚から取って置きのいちばんいい茶器といちばんいい茶葉を取り出しながら答えた。
「若いときの顔だからねえ…激動だって同じでしょう」
 目を細めて笑った顔は、カワラザキには通用しないがあの孔明ですらぞっとする代物らしい。
「ふむ、愚問じゃったな」
 ポットの湯を急須に移し、茶葉を茶碗に入れる。
 湯が少し冷めたころを見計らって茶碗に注げば、あたりに馥郁たる茶の香りが広がった。
「BFが」
 茶碗に視線を落としたままで十常寺が口を開く。
「世界を手中に収めたら…私はやっぱり中華がほしいなあ」
「若返ったら、宦官の征服欲も甦るか」
 茶碗の蓋を少しずらし、茶葉が出てこないようにしながら湿らせた口でカワラザキが言った。
「激動は?日本へ戻ってあの子といたいんでしょう?」
「ふむ…日本をもらっても、のぅ…まあ、ワシはそろそろ引退して幽鬼の動向を見ておるよ」
「ふふ、そんなつもりもないくせに」



 十常寺は茶碗を置いて頬杖をつきながらさらに続けた。
「まあ、私だって中華をもらって治めたいわけじゃないんだけどね」
「我が物にしたいのではないのか」
「…別に」
 そしてあのぞっとするような笑顔を浮かべる。
「あのころは楽しかった。皇帝を操って己の欲望のままに国を動かして…私は自分が動くより、だれかを動かしているほうが好き」
「ふーむ」
「だから、中華をもらったら皇帝の墓を探して、蘇らせてもいいかななんて思ってる」
 めったに自分の展望など語ることのない十常寺が、やけに饒舌なのでカワラザキはまたからかってみたくなった。
「もしかしてお主、その皇帝とやらに惚れていたのか」
 突然の言葉に十常寺は目を見開き、次の瞬間プイとそっぽを向いた。
「なにを馬鹿な…さっき激動も言ったように私は宦官なんだから征服欲の塊。そんな感情なんて持ち合わせてない」
 外はとうとう雨が降り出し、窓に雨粒が当たった。
「BFと出会ったのも…こんな雨の日だったかな。皇帝が死んだのも、私の知っている中華が滅んだのも…雨の日だったな…」
 外を見つめている十常寺を見ていたカワラザキは、似合わぬ雰囲気を吹き飛ばすかのように勢いよく音を立てて茶をすすった。
「感傷的なお主など、らしくないのう」
 不満そうな十常寺に、この中華風の部屋には似つかわしくない棚の上のヘルメットを放ってよこした。
「…激動…」
「今、薬を飲んでバイクを出してくるから用意しておけ。雨の日のツーリングも悪くはないぞ」
 足早に部屋を出ていくカワラザキの後姿を見送って、十常寺は少しだけ眉をひそめた。
「まったく…若いころの回想もさせてくれないんだから…」
 そんなことをつぶやきながら、自分も着替えるために立ち上がった。

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まいりぃまいろ

Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
レッドは絶対荒唐無稽な夢を見る。

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