GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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夜話

 深夜。
 静まり返った大回廊を幽鬼が歩いている。
 手に持っている報告書は、先日残月と合同で当たった任務のもので、ひとりで書くのも癪なので残月の部屋を訪れて一気にすませてしまおうということになった。
 ふと立ち止まり、大きな窓から外を眺めれば霧が立ち込めているらしく、夜の闇すら白っぽかった。
 残月の執務室をノックする。
「開いている」
 ドアを開ければ、室内は先ほどの外と同じように霧が立ち込めているようだった。
 いや、正確にはそれは残月の吐き出している煙草の煙だったのだが。
 その煙を手で払いのけるようにしながら、幽鬼は残月が用意していた予備の机についた。
「ずいぶんと煙い部屋だな」
 苦笑しながらそう言うと残月は煙管に次の煙草を詰めながら笑った。
「チェーンスモーカーとでも言うのか…この身体のせいで煙管が手離せぬ」
 元々は身体の痛みを紛らわせるために吸い始めたものだが、今ではもう癖のようになってしまっているらしい。
「その割りには…部屋は綺麗なようだな」
「ヤニが付着するほど強い煙草ではないし、エージェントがマメに掃除をするのでな…ヤニがつく暇もあるまい」
 煙管に火をつけ、深々と煙を吐き出してから思い出したように付け加える。
「激動のじいさまは衝撃と同じく葉巻派だったか?」
「そうだな…じいさまは本当にたまにしか吸わんが」
 互いに途中まで書いた報告書を交換し、ひと通り目を通す。
 幽鬼はすぐにペンを持ったが、残月はこの煙草を楽しんでからという感じで天井へ向かって煙を吐いていた。
「それだけ吸うと、尻から煙が出るほど、というモノの例えが正しいような気になるな」
 どうにも幽鬼が煙草…というか煙を気にしているように思えたので、残月が尋ねた。
「蟲に影響があるか?」
「いや」
 幽鬼が笑って首を振ったが、書類に目を落としたままで話を続けた。



「他人の身の上話など滑稽以外のなにものでもないだろうが…俺の蟲については知っているな?」
「ああ、群雲蟲…だったか。敵を食らいつくすそうだな」
「そうだ。俺が最初に蟲を放ったのは…曖昧な記憶だが母親という女に対してだったと思う」
「ほう…」
 珍しい幽鬼の昔話に残月も煙管を口から離した。
「蟲は確かに俺の体内に巣食っている。だが、それがどこなのかと問われれば俺にもわからん…もしかしたら、この俺の身体そのものが蟲なのかもしれんしな」
 燃え尽きた煙草の灰を、残月が専用の盆に叩き落す。
 その音が合図であったかのように、幽鬼は書類を書く手を止め残月を見た。
「貴様は俺のもうひとつの能力も知っているだろう?そう、人の思考を読み取れる能力だ。だが俺のそれは、衝撃のように純粋に相手の考えがわかるというものではないような気がしてきた」
「ふむ?」
「俺自身が蟲そのものだとしたら、俺の蟲が女の身体を食らいつくしたとき、女は俺の一部になった…だからその思考を読み取るというより、俺は女と記憶や思考を共有できるようになった…そう思えたんだ」
 いくらBF団に能力者が多く存在するとしても、そんなことを告白されれば自ずと話に引き込まれていく。
「自覚はあるのか」
「そうだな。じいさまからは相手の思考などあまり探るなと釘を刺されているが…実際にはテレパシーなんぞ存在していない。あれは俺が蟲を放って相手の脳を食らわせるから、思考を読み取ることができるんだ」
 生きたまま脳を食らわれる…むろんさしたる影響はないのだろうが、その感覚を想像して残月は喉の渇きを感じた。
 幽鬼は思い出したように再びペンを走らせ始めた。
「俺の一部になるせいかな、いつしかそいつの嗜好までわかるようになってきてな…甘いものが食いたくなったり、辛いものになったり…ふふ、女の尻を追いかけたくなったこともあったか」
 それから顔を上げて、不意に真剣な顔で残月を見つめてきた。
「もしも今、俺が貴様に蟲を放ったら…俺は煙草を吸いたくなるのだろうな…」
 その声がやけに凄みを帯びていたためか、残月の背中を冷たいものが流れる。
 だが、すぐに気を取り直すと肝の据わった声で尋ね返した。
「…本気で言っているのか。私はそこらのエージェントとは違うぞ」
 しばしの沈黙があってから幽鬼は悪戯っぽい笑みを浮かべた。
「冗談に決まっているだろう。第一俺のテレパシーは本物でな…今のが全部作り話だというのはじいさまに聞けばわかることだ」
 からかわれたとわかり緊張の糸が切れたが、ここで怒るのも大人気ないと残月は大きな息を吐いただけに留める。
「なぜそんな話を…」
 一足先に報告書を書き終えた幽鬼は立ち上がりながら答えた。
「実は俺は煙草の煙が苦手でな…こんな話をしているあいだは貴様が煙草をやめてくれていたので助かった」
 そして軽く挨拶をすると笑みを浮かべたままで出ていってしまった。
 残った残月はしばらく呆然としていたが、こんな回りくどい話をするなら最初からいってくれればよかったものをと憤り、報告書をいつになく荒れた文字で書き殴った。

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ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
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