GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Who am I ?

 ストレッチャーの上に横たわるものを見て、白衣のエージェントが感心したように口を開く。
「顔面も、全身も…ほとんどの皮膚が持っていかれるほどの被害というのに、よく生きているものです」
 悲惨な状態を晒すそれを見ても、顔色ひとつ変えない樊瑞が腕を組んだままで答えた。
「さすがに…あれでは生きておらぬかと思ったが、ワシの睨んだとおり生命力は旺盛なようだな」
「我々の医療技術を持ってすれば、すぐに傷は癒えましょう。ただ」
「ただ、なんだ」
 歯切れの悪いエージェントの言葉に樊瑞が初めて眉を顰めた。
「目の損傷が激しいのです。これではなにか…そう、特殊なコンタクトレンズのようなものでも装着しなければ、物を認識することは不可能かと」
「ならば作れ。この男はいずれは十傑の地位にまで上るかも知れぬ男だ。死なせることは許さぬ」
 樊瑞の鋭い視線に射られ、エージェントが萎縮する。
「そういえば、樊瑞さまは彼の顔をご存知とか…整形の際の参考にいたしたいのですが、なにか覚えてはいらっしゃいませんか」
 樊瑞は少し思い出すようなそぶりをした。
「顔…さあ、それはちと難しいな。なにしろワシがこやつに出会ったのは、ヴァシュタールの大学内であった。学生の顔などいちいち覚えてはおらぬ。ワシがこやつをあの惨劇のあとで拾ってきたのは、こやつの得意な能力に引き寄せられたからに過ぎんからな。顔などどうでもよかろう」
 エージェントはずいぶんと無責任な話だと思いながらも、樊瑞の命は忠実に従う気だった。
「それから…このようなものを持っていましたが」
 真っ黒に焼け焦げたそれはほとんど形を成していない。
「ふむ…ワシにはわからんが、十常侍に見せてみよう。あやつなら復元できるやもしれん。こやつの大事なものかもしれんしな」
 エージェントに後を任せ、樊瑞はそれを持って部屋を出て行った。

 1年近くも眠っていた男が、顔の包帯を外そうとしたときすでにサングラスはその目を覆っていた。
「それを外してはならない。それなしでは君はなにも見ることができないのだからな」
 そんなことより男にはもっと大事なことがあった。
…私は、だれだ?
 なにがあって、自分はここにいるのか?
 自分は…だれだったのか?
「鏡を…見せてもらえないか」
 差し出された手鏡に映るのは、端整な顔立ちの青年…緩やかなウェーブの銀髪が、空気の入れ替えにと開けられた窓からの風に揺れた。
「これが…私だと…」
 その銀髪はプラチナブロンドとは違う、明らかに白髪というような髪だった。
「君の髪は、事故で色素が壊れてしまったようでね…」
…事故?事故とはなんのことだ?
「ならば…私はこの髪を見るたびに、その事故とやらを憎まねばならぬのだな…覚えてもいない事故とやらを」
「その髪が見たくないのなら、マスクもあるが」
 差し出されたのは頭部をすっぽりと覆う形のマスク。
「このマスクには特殊なフィルターがついていて、これならサングラスは必要ない…どちらでも君の好きにしたまえ」
 それだけ言ってエージェントは部屋を出て行こうとして、ふと思い出したように振り向いた。
「そうそう。これを渡すようにと頼まれていたのだった」
 それは…まるで古代中国の皇帝がかぶっていたような冠だった。
「君は事故のとき、これを大事に抱きしめて倒れていたそうだ。君のものかどうかはわからないがね」
 エージェントが立ち去ってから、男はサングラスを外しマスクを着けた。
 先ほどよりもよく見えるような気がする。
 それで冠を見てみたが、やはり覚えはない。
 だが、頭に乗せてみればそれは昔から男の頭にあったかのようにしっくりとおさまるのだった。
 そうして男はもう一度手鏡を見た。
…これが私の真の姿なのか…なにも思い出せぬ…おぼろげな記憶すら、ない…いや。
 男は指を軽く動かした。
 なにもない空間から男の手に針が現れる。
 陽の光を受けてベッドの脇に映る落ち葉の影に向かって、針を投げてみた。
 針は…ありえないことに落ち葉の影を床に突き刺した。
…私は…こんなことができるのだったか…。
 その能力をいつ持ったのか、どう使っていたのか。
 そんなことはわからない。
 だが、男は本能的にこの能力がなければここで生きていくことはできないのだと感じ取っていた。
…私は…もはやだれでもない。

*Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

Menu

FC2カウンター

プロフィール

まいりぃまいろ

Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
レッドは絶対荒唐無稽な夢を見る。

最近の記事

フリーエリア

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。