GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

キンギョソウ:予言(幽鬼)

 セルバンテスがアルベルトの居城を訪れるのは、珍しいことではない。
 今日もごく普通に扈三娘はセルバンテスを迎えたが、その後ろに隠れる少年に気づいた。
「あ、この子はね、激動のじいさまが育ててる子なんだよ。幽鬼くん、ご挨拶は?」
 しかし幽鬼は珍しい女性との対面に恥ずかしがって、セルバンテスの後ろに隠れたままだ。
「こんにちは幽鬼殿。ちょうどケーキを焼きましたから一緒に食べましょうね」
 優しく微笑んでそう言う扈三娘に、セルバンテスは快活に口を開いた。
「いよいよだねえ、予定日はいつ?」
 セルバンテスと幽鬼の目に入ってくるのは、せり出した扈三娘の腹…そこにはアルベルトの子供が育っている。
「もう…すぐですわね。来月あたりと聞いています」
 扈三娘は幽鬼に手を伸ばした。
「さ、あちらでゆっくりしましょうね」
 出された手に触れた瞬間、幽鬼は小さく声を上げてセルバンテスを見上げた。
「…女の子…」
「本当?」
 幽鬼がうなずくとセルバンテスは満面の笑みで拳を握ってみせる。
「よし、私の勝ちだ!」
 扈三娘は少し首をかしげ、その言葉の意味を知るとクスクス笑い出した。
「この子を賭けていらっしゃったのですか?」
「あ、あー…いや、その…アルには内緒にしてね。樊瑞は男の子だって言ったんだけど…」
「まあ、あの方、ご存知のくせに兄者には言わなかったのですか」
 今度はセルバンテスが驚く番だった。
「え、アルは知っているの?」
「ええ、だってあの方は能力者ですもの」
 それから扈三娘は幽鬼に目を向けた。
「それがわかるということは、幽鬼殿もあの方と同じ能力をお持ちなのですね」
 そうしてモジモジしている幽鬼をいきなり抱きしめた。
「利発そうな…頼もしい方に成長しそうですね」
 花のような微笑、柔らかな感触、そして…甘い香り。
 すべてが幽鬼にとって忘れがたいものだった。



 広い場所で幽鬼が焚き火をしている。
 その煙に気づいたサニーが近づいた。
「幽鬼さま、なにをしていらっしゃるのですか」
「机の中を整理していたら、いろいろと不要なものが出てきたのでな。シュレッダーにかけるより早い」
 そのあたりの落ち葉と書類を混ぜて燃やし、さらに幾枚かの書類を放り込んだ。
 炎から少しはみ出した紙に「TOP SECRET」の文字が見えて、サニーは思わず幽鬼を見る。
 幽鬼は至極真面目な顔で唇に指を一本当てて見せた。
 サニーは苦笑して吹き出すのをこらえるように口に手を当てる。
 書類が炎に包まれてしまってから、ふたりは顔を見合わせてクスクスと笑った。
 やがて燃えるものがなくなり、炎が鎮まってしまうと、幽鬼はすべてが消し炭になったのを確認して消火した。
「ああ、そうだ」
 思い出したようにそう言って、いきなりサニーを抱きすくめた。
「きゃ…!」
 突然のことにサニーは驚き、離れようとしたが、頭の中に流れ込んできたイメージに動きを止めた。
 それは…幽鬼が覚えていた扈三娘のすべて。
 花のような微笑、柔らかな感触、甘い香り…穏やかで優しい声音。
「は、母は…」
 サニーは涙を浮かべながら無理に笑おうとした。
「母は、このような声で話したのですね。このような笑みを浮かべて…こんな香りで…」
「衝撃は、なにも彼女の思い出を遺さなかったのか…?」
「父は、母を亡くしたことがショックだったようです。アナログな写真を遺しただけで、記録のようなものはなにも…」
 幽鬼はサニーを抱きしめ、扈三娘のイメージを送り込みながら話を続ける。
「いろいろと整理をしていて、彼女のことを思い出した…もう俺には不要なものだからサニーに返すべきだと、そう思ったのだ」
「…うれしい…母を、感じることができました…」
 幽鬼のシャツがサニーの涙で濡れていく。
 ふと、サニーは頬を赤らめて顔を上げた。
「あっ…」
「どうした?」
「いえ、今、母が…お腹の中の私に語りかけたことが…伝わってきて…」
 幽鬼が扈三娘から受け取った思いを、幽鬼は知ることができないがサニーにはきちんと伝わるらしい。
「なんと…?」
「私が…大人になったら、この方に守っていただきなさいと…この方は優しくて、私をきっと幸せにしてくれるから、と…」
 ふたりは互いに顔を赤らめて見合わせた。
 やがて幽鬼が苦笑する。
「まいったな…彼女には、かなわないことばかりだ…」
「もし、よろしければ…幽鬼さまが覚えていらっしゃる母のこと、もっと話してくださいませんか」
「ああ、いいだろう」
 幽鬼は目を細め、徐々に扈三娘に似ていくサニーを見つめていた。
 花のような微笑、柔らかな感触、そして…甘い香り。

*Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

Menu

FC2カウンター

プロフィール

まいりぃまいろ

Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
レッドは絶対荒唐無稽な夢を見る。

最近の記事

フリーエリア

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。