GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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タケ:忍耐(残月)

 豪華客船は真夏の洋上を穏やかに問題なく航行している。
 贅を凝らした客船には、若くして成功した青年実業家夫妻によって招待された富豪やプロスポーツ選手が乗り込んでいた。
 最初は全員が招待主のことを知らなかったが、3日目に行われた晩餐会でその姿を初めて見た。
 白い杖をつき、若い妻に付き添われて現れたサングラスの青年は、親から受け継いだ資産を元に起業し成功したが、その視力はほとんど失っているのだという。
「お招きありがとう。本当に素敵な旅行ですこと」
 招待客の中では最も資産を持ち、最も高齢と思われる富豪夫人が妻に話しかけてきた。
「ありがとうございます。お気に召していただいて光栄ですわ」
 ブロンドの髪をアップした妻は微笑みながら挨拶を返し、ほかの招待客に囲まれている夫に目をやった。
 にこやかに談笑していた夫が、その杖で軽く床を叩くと妻は老婦人に詫びて夫の下へ駆け寄る。
 おぼつかない足取りの夫の腕を取り、ステージへ上がらせて主賓としての挨拶を行わせた。
 夫は挨拶の中で招待客への感謝、そして妻への愛と感謝を述べた。
 成功者としての若い夫婦に惜しみない拍手と賛辞が送られ、だれもが夫婦を微笑ましく見つめていた。

 孔明の策は…富豪やプロスポーツ選手を集め、洋上にまったく連絡の取れない状態でその家族や関係機関へ身代金を要求すること。
 断ればもちろん…客船から放り出されて海の藻屑となる。
 この豪華客船はBF団のもので、船員は船長から水夫長、コックに到るまですべてエージェントである。
 そして主賓である実業家に残月が選ばれたのは…国警もその素顔を知らないため。
 あのマスクを外してしまえば、どのような変装をしていてもその顔を知る者はいないのだから。
 もちろん妻の役に抜擢されたのは髪を染めたサニーだった。



 夜更けのデッキに佇んでいるサニーのところへ杖の音が近づいてきた。
 サニーは穏やか過ぎる海から目を離し、ゆっくりと残月を振り向いた。
「疲れたのかな、ハニー」
 だれの目がないとも限らない。
 夫婦専用の船室にいても安心はできず、ふたりはずっと芝居を続けていなければならなかった。
「ええ、少し」
 サニーは夫を心配するような素振りで残月に抱きつきながら小さくささやいた。
「いくら杖をついていても、おひとりで歩いていては見破られますわよ」
「なに、心配はいらない。船内くらい熟知しているつもりだ」
 月明かりの下のふたりは、夫婦が仲むつまじくふたりだけの時間を過ごしているように見える。
「ご連絡は?」
「順調に進んでいるらしい」
「そう…」
 ため息混じりにそう言って、サニーは再びデッキにもたれて海を見た。
「陸が恋しいわ」
 そんなことを言うのは、この芝居に疲れてきたということ。
「もうしばらくの辛抱だ…この茶番も」
 残月はサニーに並んで同じようにデッキにもたれる。
 残月の発した茶番という言葉にサニーの胸が痛む。
 すべてが芝居だとわかってはいたが、残月と一緒だと思うと娘心に胸がときめき心躍ったものだった。
 だが残月にとっては…どんなに夫婦を装っていても茶番でしかないのだ。
 サニーはわずかに目を伏せ、小さく笑うと残月の見えている目に向かって言った。
「本気よ」
 そして近くにいた船員を手招きすると「旦那さまを船室にお連れして」とだけ告げ、自分は先に戻ってしまった。
 残された残月は近づいてきた船員を手で制し、スーツから愛用の煙管を取り出して一服つけた。
「本気、か…」
 この任務が終了し、陸に上がったらまずなにをすべきか…それを思いあぐね月を見上げた。

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Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
レッドは絶対荒唐無稽な夢を見る。

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