GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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さまよえるアルとセル

 BF団の本部は年中を通して比較的穏やかな気候の場所にあるが、夏はやはりそれなりに暑い。
 孔明は暑い日にも涼しい顔をしているが、日頃から我慢を強いられることの多い忍のレッドなどは、本部にいるときくらいと空調の効いた自室に引きこもっていたりする。
 樊瑞もまあ、暑さには耐性があるほうであまり空調など入れないのだが、樊瑞の部屋は空調がなくても冷え切っていた。
「お主なあ…」
 哀れなことに樊瑞は夏だというのに、室内でマントに包まる羽目になっている。
 樊瑞が痛む頭を押さえながらたしなめているのは、ソファに陣取ったアルベルトの幽霊。
 なんでも幽霊というものは冷たいものなのだそうで、一緒にいるだけで寒いらしい。
「…いいかげんにあの世へ還ったらどうだ?」
「還りたくても還れんのだ」
 同じく痛む頭を押さえてアルベルトが答える。
 結婚のときの誓いの言葉は「死がふたりを分かつまで」だったはずなのに、ひと足先にあの世へいっていた扈三娘がアルベルトをしっかり捕まえ、「現世では一緒にいることが少なかったから、せめてあの世では」と離してくれなかった。
 おまけに年頃になったサニーが心配だからと、「縁を切ったのは現世での話、死んでしまえば反故」と説得されて下界へ放り出された。
 思ったよりもたくましく成長した娘に安心したまではよかったが、うっかりとサニーが扈三娘似などと口走ったものだから、あの世へ還ったとたんに叱責され、再び下界へ落とされる始末となったのだ。
「まあ扈三娘は芯の強い女だったからなあ…頭を下げても無理か?」
 プライドの高いアルベルトが頭を下げるなどありえないのだが、最後の手段として樊瑞が尋ねたらアルベルトは意外にもうなずいた。
「頭どころか、現世では言ったことのない歯の浮くような言葉まで言ってみたが…」
「蹴り出されたのか」
 幽霊ではあるが、初めて樊瑞の前に姿を現したとき、アルベルトの背中には扈三娘の沓のあとがくっきりとついていた。
 樊瑞は思ったよりも強くなっていた妹弟子にため息をつきながら提案する。
「しかしながらお主はサニーの父親、ワシのところではなくサニーの部屋へいってはどうか?」
「とっくにいってみた」
 そう言ってアルベルトも深いため息をつく。
「サニーの部屋の扉には、十常寺にもらったらしい護符が何枚も貼られておってな…儂は入れんのだ」
「護符…なぜ、サニーはそんなものを?」
「口うるさいお父さまが入れないようにしてやる、と」
 ふたりは顔を見合わせ、さっきよりさらに大きなため息をついた。



「アルー!」
 樊瑞の部屋の扉をすり抜けて入ってきたもう1体の幽霊…セルバンテスのせいで樊瑞の部屋の温度がさらに下がる。
「なんだバンテス、騒々しい…それより、アレの状態はどうだ?」
 少しの希望を込めてアルベルトが尋ねるが、セルバンテスはそれをはかなく打ち砕いた。
「あ、奥さんね、還ってくるなって。そ、そんなことより大変なんだよ、アル、樊瑞!」
「幽霊のお主が、大変なこととはなんだ?」
 今度はセルバンテスがすがるような目で樊瑞に寄ってくる。
「幽鬼くんがどこにもいないんだよ!このあいだまでメイド喫茶で私と楽しい時間を過ごしていたはずなのに…あのメイド喫茶を辞めたのなら本部にいるだろうと思ったんだよ。でもどこにもいないんだ!」
 樊瑞はゆっくりと己の背後を振り返った。
 実は報告書を持ってきた幽鬼がさっきから室内にいるのだが、幽霊から見えなくなる護符を額に貼っているのでセルバンテスとアルベルトには見えないのだった。
「案ずるなバンテス。儂の能力ではやつはこの本部にいる…だから…だから、扈三娘をなだめてきてくれえ!」
「やだー!幽鬼くんがいるんなら、元気な顔を見るまであの世になんか還らない!…ん?樊瑞、なんで背中向けてるの?」
 樊瑞は幽鬼とセルバンテスを交互に見つめていたが、幽鬼が必死に首を振るので乾いた笑いでごまかした。
「ん?いや、ははは、お主のせいで寒くなったのでな、空調を暖房に変えようかと」
「その必要はないよ!本部内にいるなら、私ちょっと幽鬼くんを探してくる!」
 セルバンテスはそう言うと入ってきたときと同じように、扉をすり抜けて出ていってしまった。
 激しく落ち込み部屋の隅に移動したアルベルトを横目に見ながら、樊瑞は幽鬼から報告書を受け取る。
 そして、鬱陶しく思いながらもセルバンテスから身を守るために、まだしばらく護符を額に貼っていなければならない幽鬼のことを思うと、樊瑞の口からは今日何度目かのため息が漏れるのだった。

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Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
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