GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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Only You

 アルベルトの城をセルバンテスが訪れたのは雨の午後だった。
「いやあ、任務のついでにアルベルトの顔を見ようと思ってこちらへ寄ったら、いきなり雨に降られるとはね」
 扈三娘からタオルを受け取り、クフィーヤを拭いながらセルバンテスは言う。
「ずいぶんお濡れになったのではございませんか?よろしければ乾かしますが」
「いや、妙齢のご婦人の前ではちょっと、ね」
 セルバンテスは小さく笑って、自分の手のひらに意識を集中させ、自分で服に触れて乾かしてしまった。
「便利でしょ」
 つられて扈三娘もクスクス笑う。
 その笑顔を見てセルバンテスは、アルベルトが扈三娘のことを花のようだと形容した理由を知った。
「熱いお茶でもいかがでしょうか。あいにく…あの方は留守ですが」
 差し出されたカップを受け取りながら、セルバンテスが遅れた自己紹介をすると扈三娘は小さくうなずいた。
「存じ上げております。よくあの方が話していらっしゃいますから」
「ハハ、そうなんだ。ずるいなアルベルトは…私にはあなたのことをなかなか話してくれなかったくせに」
 少し間をおいてからセルバンテスは静かに言った。
「いいやつだよ」
「ええ」
 扈三娘は空になったカップに2杯目のお茶を注ぐ。
「優しく、力強い方です。あの方がいらっしゃらなければ、私は今ごろこうしておれません」
 その場にはいなかったが、セルバンテスも孔明とアルベルトのやり取りを間接的に少しは聞いていた。
「今でも不思議です。機構に身を置いていたとはいえ、たいした価値もない私を助けてくださったのが」
「男女の仲に理由なんて要らないと思うよ」
 思いもよらない言葉に扈三娘は顔を赤らめる。
「いい加減、他人行儀はやめていいんじゃないかな。彼はあなたを助けた、なんて思っていないよ」
「でも…」
 扈三娘はうつむき口ごもった。
「あの方に甘えてしまうのは…あまりにも図々しく思えてしまうので」
「そんな男ではないんだよ、あいつは。女性を口説く術など知らないから、あなたに対しても無愛想になってしまうのだろうけど、本当はあなたを受け止めたくてしかたないんだ。だから…結婚を承知してやってくれないかな」
 自分よりよくアルベルトのことを知るセルバンテスの言葉だから信じてよいのだろうが、扈三娘はまだ自分の中にある戸惑いを隠せず、ごまかすように窓の外の雨雲に目をやった。


 本部の回廊を並んで歩きながら、樊瑞がアルベルトに問う。
「扈三娘は元気にしているか?」
「ああ」
 アルベルトは言葉少なくそう言って、樊瑞をうかがった。
「樊瑞…その、本当にいいのか?私が彼女を娶っても」
 樊瑞は足を止め、アルベルトの顔をまじまじと眺めた。
 徐々に照れて赤くなっていくアルベルトに、少し意地の悪い笑みを返す。
「ははあ、さてはおぬし、私が扈三娘に惚れていたのではと思っているのか」
「いや、その、そういうわけではないが…彼女は貴様を慕っているようだから…」
 そんな思いが邪魔をして、今ひとつ扈三娘への求婚をためらっているアルベルトを、樊瑞は笑い飛ばした。
「慕っておると言っても扈三娘は私にとって妹も同然、それ以上の思いはない。それゆえ私はおぬしに扈三娘を託したいのだ…幸せにしてやってくれ」
 やけに慈愛に満ちた顔でそんなことを言うものだから、ますますアルベルトは照れてしまう。
「扈三娘なら…きっとおぬしに尽くしてくれる」
「ああ…」
 照れ隠しのように葉巻を取り出し火をつけた。
「彼女は…この葉巻の香りが、好きだと言いおった…」

 セルバンテスが去ったあと、使用人をやんわりと遮ってカップを片付けていた扈三娘は、いつの間にか雨が上がり陽が射していることに気づいた。
「明日…あの方は帰っていらっしゃるかしら…」
 そして求婚されたら、きっと思いを伝えられる…そんな予感に胸を躍らせていた。

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まいりぃまいろ

Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
レッドは絶対荒唐無稽な夢を見る。

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