GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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時の兄妹

 国警の支部から重要機密を失敬してくることは、幽鬼にとっては簡単すぎるほどの任務であったが、たとえ敵といえども無闇に殺人を犯したくない幽鬼には、いい任務だった。
 ただひとつ予想と違っていたのは、九大天王もいないと気楽に考えていたのを、さっきから自分をつけてくる気配があること。
 森の中を抜けているとはいえ幽鬼の走る速度はかなりのもの。
 にもかかわらず、少し遅れているとはいえきちんとついてきているのだ。
 それがどんな人物か見たくて、幽鬼は足を止めて振り返った。
 相手は幽鬼との間合いを取って同じように停止したが、かなり息が上がっている…どうやら厄介な相手ではなさそうだ。
「この俺についてくるとはたいしたものだな…姿を見せたらどうだ?」
 木立のあいだからよろよろと現れたのは、まだ年端もいかないような少女。
「なに?」
 幽鬼が驚いたのも無理はない。
 少女は…幽鬼によく似ていた。
 無愛想な顔を愛らしくしたら、きっとこんなふうになるのだろう…ましてや髪も同じような癖っ毛らしい。
「はぁはぁ…ファ、ファイルを…返しな…さい…」
 追いかけてくるだけで精一杯だったのだろう。
 息が上がってまともにしゃべれないばかりか、構えようとする身体すらふらふらしている。
「フフ、その言葉からすると国警の者らしいが…エキスパートにしては訓練不足だな」
「し、失礼…ねッ、わ、私はこれでも…天鬼さまの…」
「天鬼の?」
 幽鬼は声を出して笑った。
「フフフ、あいつ、お前のようなのが趣味か」
「だ、黙りなさいッ!」
 少女は手裏剣のようなものを投げてきたが、見切れぬ幽鬼ではない。
「まあどちらにしてもこいつを返すわけにはいかんのでな…眠ってもらうか」
 そうして眠りへと誘う蟲を呼び寄せ、少女にまとわりつかせた。
「な、なによッ」
 ところが少女が手をかざすと蟲はバタバタと落ちていく。
「うん?」
「私の手は熱いのよ。蟲なんか焼いてしまえるんだから」
 さすがは国警にいるだけあって只者ではないようだ。
「ならばしばらく戯れていてもらおうか!」
 さらに大量の蟲を呼び寄せる。
「あッ、ちょ…きゃーッ!」
 少女が混乱している隙に、少女の髪を1本失敬し幽鬼は素早くその場を立ち去った。



 本部へ戻ってきた幽鬼はファイルを孔明に渡し、少女の髪を分析を担当するエージェントに預けた。
 たまたま居合わせたカワラザキとセルバンテスに少女の話をする。
「へえ…幽鬼くんそっくりの女の子、ねえ…」
 セルバンテスが興味津々に身を乗り出してくる。
「妹がいたとか?」
「馬鹿な!」
 幽鬼は吐き捨てるように言った。
「他人の空似というやつだ。それよりも…その娘、手から熱線を出せたが眩惑の娘ではないのだろうな?」
 セルバンテスは快活に笑う。
「あっはっは、幽鬼くんにそっくりの娘なんていたら喜んで迎えにいくよ。でも覚えはないね」
 軽やかな音がしてエージェントが分析の結果を報告にきた。
「いただいた髪の分析結果ですが…幽鬼さまのDNAとは一致いたしません」
 幽鬼もセルバンテスと同じような疑問をかすかに抱き、こんなことを調べさせたのだ。
「で、その娘のことは調査できたのか?」
 カワラザキの問いにエージェントはモニターに少女を映し出した。
「まだエキスパートとして登録がなされていないため我々の情報から漏れていましたが…天鬼の部下で名を…たぶんコードネームと思われますが…幽凪。能力としては体内から熱を発生させることができるようです」
 カワラザキがチロリとセルバンテスを見る。
「いや!本当に私は知らないって!」
 あわてて手を振ってからセルバンテスはまじまじとモニターを見つめた。
「いやぁ…本当に幽鬼くんに似てるねえ。幽鬼くんが女の子になったらこんな感じ、ってくらいに」
「馬鹿馬鹿しい!」
 幽鬼は声を荒げる。
「赤の他人だ!俺には妹なぞいない!」
 しばらく考えてからセルバンテスは静かに口を開いた。
「昔の、ある心理学者が言っていたことだがね…まったくの他人であるにもかかわらず、外見も生年月日も生まれた場所も、母親の名前すら同じという人間がいる。それをその心理学者は時の双子と名づけた。もしかしたら…君たちも時の兄妹というべき存在かもしれないね」
 もしも幽凪が普通の少女であったなら…幽鬼も愛することがあったかもしれない。
 だが国警の人間で、しかもあの天鬼の部下となれば…。
 幽鬼は突然大声で笑い出した。
「ハハハ、時の兄妹か、こいつはいい。もしその名前が相応しいのなら…この幽凪とかいう娘は、兄の俺が始末してやるべきじゃあないか?俺がこの手で、国警にいる時の妹とやらを!」
 狂気じみた笑いを続ける幽鬼を、モニターの中の幽凪は無邪気な笑みを浮かべたまま見つめていた。

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ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
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