GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

迎えにいくよ

 朝、まだそう遅くはない時間、カワラザキがセルバンテスの部屋へ飛び込んできた。
「セルバンテスーッ!」
 熟睡中のセルバンテスの胸倉をつかみ、激しく揺さぶる。
「おぬし、いったい幽鬼になにをしたんじゃーッ!」
「ふあ?」
 寝ぼけ眼のセルバンテスは事態が把握できない。
 なおも頭を激しく揺さぶられ、渋々身体を起こした。
「幽鬼くん、どうかしたの?」
「どうかしたもなにも…目を覚まさんのじゃ!」
 昨夜遅くまでセルバンテスの部屋に入り浸っていたと思ったらこの始末。
 セルバンテスはぼんやりとした頭で昨夜の記憶をたどり始めた。
「ええと、昨夜は幽鬼くんとゲームをして…ああ、そうだ。ジュースをあげようと思ったらジュースがなくて、お酒を飲ませちゃったんだっけ」
 あはは、と笑うのをカワラザキに激しく殴られた。
「この愚か者が!幽鬼はまだ11歳じゃぞ!」
 ともかくこうなってしまったのには自分に原因があると、セルバンテスは着替えてすぐ幽鬼の部屋へ向かった。

 幽鬼のベッドの回りには、カワラザキの要請に従ってアルベルトと樊瑞もやってきていた。
 幽鬼は死んだように身動きひとつせず眠っている。
「フム…どうやら酔って意識を飛ばしてしまったようだな」
 アルベルトが幽鬼に手をかざして、なんとか幽鬼の意識を探ろうとしている。
「あはは、いやーまさかこんなことになるとはね」
 気楽なことを言ってまたカワラザキににらまれる。
 やがてアルベルトが素っ頓狂な声を上げた。
「おい!こいつ、月の裏側にいるぞ!」
「ああ、そういえば…」
 セルバンテスが思い出したように付け加えた。
「幽鬼くんに月の裏側はどうなっているかって尋ねられたなぁ」
「連れ戻せんのか?」
 樊瑞の問いにアルベルトが首を振る。
「儂の呼びかけには反応せん…」
「ふむ、ならば」
 樊瑞は懐から呪符を出してさらさらと書きつけた。
「セルバンテス、おぬしが迎えにいくべきだろうな。30分で術は切れる。それまでに幽鬼を探して連れ戻ってこい」
「え?ちょ、待っ…」
 セルバンテスの抗議を受け付けず樊瑞はセルバンテスの額に呪符を貼りつける。
 セルバンテスは意識を失い、幽鬼の隣へ倒れこんだ。



「俺、なんでこんなところにいるんだろう…」
 見渡す限り荒涼の大地、そこに立つ幽鬼の目の前には無数の星が見えるばかり。
「ここ、どこ?」
 生命を感じられない土地…やがて幽鬼はここが「月」だと気づいた。
「月?地球は?俺、帰れないの…?」
 息はできる。宇宙服をきていないのにまったく平気というのも不思議だった。
 月面にもBF団の支部があることを思い出したが、どの方向へどれくらい歩けばそこにたどりつくのか、到底考えられなかった。
「だれかが…俺を見つけてくれないと、帰れない…」
 思わずその場にしゃがみこみ、カワラザキの名を呼ぼうとしたときだった。
「幽鬼くん、めーっけ」
 聞き覚えのある声に振り向けば、セルバンテスがニコニコと立っている。
「おじさん…?」
「よかったぁ。この広い月面をどれだけ探さなきゃいけないかと思ったよ」
 心細さが一度に押し寄せてきて、幽鬼はセルバンテスにしがみついた。
「迎えにきたからね。一緒に帰ろう」
「帰れる?どうやって?」
 セルバンテスは膝を折り幽鬼に視線を合わせる。
「ここにいるのは本当の幽鬼くんじゃないんだ。幽鬼くんの意識だけがここにいるんだよ。だからおじさんが連れ帰るからね」
「おじさんも本当のおじさんじゃない?」
「そうだよ。魔王がね、私の意識だけをここに飛ばしたんだ…時間がくれば幽鬼くんの意識を抱えて、帰るんだよ」
 セルバンテスは幽鬼を抱えてその場にどっかと座り込んだ。
「それにしても…月の裏側ってのはなにもないねえ。地球からは絶対見えない場所だからしかたないんだけども」
「だれもいないね…」
 ややあってから幽鬼はポツリとつぶやいた。
「ひとりは寂しくないと思ってたけど…こんな場所でひとりはいやだ…」
 そうしてセルバンテスを振り向いた。
「ごめんね、おじさん…俺が、月の裏側のことなんて聞いたから…」
「いやいや。おじさんにしても貴重な体験だよ。月の裏側へ生身でこれるなんてね…それに、元々悪いのはお酒を飲ませたおじさんだし」
 不意に地面が揺れているような感覚に襲われた。
「…時間がきたかな。幽鬼くんだけは離さないよ…」

 ぱちりと目を開けたセルバンテスの額から樊瑞が呪符をはがす。
「ふむ、成功のようだな」
 隣を見れば少し先に目覚めた幽鬼がカワラザキと抱き合っていた。
「じいさま、おじさんがね、迎えにきてくれたんだ」
「当たり前じゃろ。全部こいつの責任なんじゃから」
 そう言われてうなだれるセルバンテスに幽鬼はしがみついた。
「ありがとうおじさん、俺を迎えにきてくれて」
 セルバンテスは頭をかきながら片目をつぶる。
「おじさんはね、世界中の、いや宇宙のどこにだって幽鬼くんを迎えにいくよ」
 ぬけぬけとそんな台詞を吐くセルバンテスを、樊瑞やアルベルトがあきれたように見ていた。

*Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

Menu

FC2カウンター

プロフィール

まいりぃまいろ

Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
レッドは絶対荒唐無稽な夢を見る。

最近の記事

フリーエリア

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。