GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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盤上の幽鬼

 カワラザキが任地から会議のために本部へひとりやってきた。
 定例のような会議のあと、セルバンテスがカワラザキを呼び止める。
「やあじいさま、久しぶり。今日は急いで戻るのかな?」
「いいや、別に急ぐ用もないのでな…そうじゃ、せっかくだからバンテス、久しぶりに1局どうかの?」
 時間があるというのなら、今夜はゆっくりとチェスの勝負を楽しめる…セルバンテスは満面の笑みでうなずいた。
「じゃあ、あとでお邪魔するよ」

 長丁場になってもいいように脇のテーブルにはお湯も茶葉もたくさん用意してある。
 談笑や酒の席でない場合、特にチェスを楽しむときにはふたりはお茶を好んだ。
「幽鬼くんは元気?」
 白の駒を並べながらセルバンテスが尋ねる。
「ああ、元気じゃよ。もうすぐ実戦にも出れよう」
「今夜はじいさまがいなくて寂しがっていないかな」
「もう12じゃからな。そんなことを言ったら子供扱いするなと怒るわい」
 並べ終わってからふたりはいったんお茶を飲み、改めて盤に向かった。
 最初の10手ほどは沈黙のうちに動かされた。
「ときに…」
 口を開いたのはカワラザキが先だった。
「幽鬼を大人にしたのはおぬしじゃろ」
 セルバンテスを見もせず、盤上に目をとどめたままでそう言うが、セルバンテスも動じた様子はなかった。
「ふふ、お見通しのようだね…さすがは激動のじいさまだ」
「まあ、そんなことだろうとは思ったがの」
「あまりにも寂しそうだったからね、慰めたんだよ」
「ふーむ」
 カワラザキがうなったのはセルバンテスの言葉にではなく、盤上で動かされた駒に対してだった。
 遊びなのか、とか弄んだのか、とかの疑問はない。
 なぜならセルバンテスとはそういう男ではないから…ただ本人の口から聞きたかっただけだった。



「幽鬼くんはいい子だよね。素直でかわいらしくて…とても柔らかい」
「眩惑術を使ったか?」
「ああ…うん、痛い思いをさせるのはかわいそうだからね。おっと、それはいただきだな」
 自駒の前にあったカワラザキの駒を取り、セルバンテスは笑う。
「幽鬼はおぬしを優しいおじさんと思っておるからな」
「悪くないね」
「本当はひどい男なんじゃが」
 カワラザキが悪戯っぽく笑い、セルバンテスを困惑させた。
「ひどいなぁ。せっかく好かれていると喜んでるのに」
「ああ、幽鬼はおぬしのことが好きらしいな」
 セルバンテスの駒を持つ手が一瞬止まり、鋭い眼光でカワラザキを見据える。
「じゃあ…私が幽鬼くんをもらってしまおうかな。ふふふ…じいさまが許してくれたら難なく手に入りそうだ」
 カワラザキの駒をもうひとつ取り、セルバンテスは笑う。
 まるで、この勝負でカワラザキに勝ち、手に入れるキングが幽鬼そのものであるかのように。
 カワラザキは不愉快そうな顔ひとつせず、盤上を眺めている。
「そういうわけにはいかんのう、と」
 カワラザキが動かした駒がセルバンテスのキングを追い詰めていた。
「あっ…あー、じいさま、それちょっと…」
「ワシのキングばかり見ておるから、自分のキングが疎かになるんじゃよ」
 どう動かしても次の1手でチェックになる。
 セルバンテスは椅子の背もたれに身体を預け、勝負をあきらめてしまった。
「まいった。じいさまにはかなわない」
 新しく入れなおしたお茶をセルバンテスに差し出し、カワラザキは笑った。
「もうひと勝負するかの?」
「いや…何度やっても私のキングも幽鬼くんも、じいさまのものになっちゃうだろうからね。もう少し精進してから挑むとするよ」
 つまらなそうなセルバンテスをカワラザキは笑いながら眺めていた。

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まいりぃまいろ

Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
レッドは絶対荒唐無稽な夢を見る。

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