GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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友あり 遠方よりきたる

 カワラザキの任務に伴って、この土地へやってきてからどれくらい経つだろう。
 幽鬼はもう少年ではなく青年になりつつあり、本部から送られてきた特A級エージェントの認定を指先で弾いた。
「これで孔明と対等になった、というわけか」
 とは言っても孔明も幽鬼も己の地位に固執しておらず、孔明はある種越権行為とも取れるようなBFの意思を伝達するという役目を担っている。
 幽鬼にしてももうしばらくで十傑集のひとりになるのだろうが、それに熱望も期待もしていなかった。
 BFのために戦うという大義名分は聞こえがよいが、実際にはBFが創ろうとする世界と幽鬼が望んでいる世界…それが合致しているだけのことだ。
「どうでもいいことだ」
 認定を机の引き出しに放り込み、部下からの退屈な報告書を取り上げて読み始めたとき、カワラザキが入ってきた。
「幽鬼、客じゃ」
 客という言葉に幽鬼は怪訝そうな表情になる。
 本部からだれかがやってきたとしても、一度だってカワラザキは「客」などという言葉を使ったりはしなかった。
「じいさま、だれだ?」
「お前がよく知っている男じゃよ」
 にこやかなカワラザキの後ろから現れたのは…見覚えのある、懐かしいクフィーヤ姿の男。
「あ…」
「やあやあ幽鬼くん、久しぶりだねえ。ふふ、じいさまから聞いていたけど立派になった」

 変わっていないセルバンテスの笑顔。
 よもや昔のように「おじさん」と呼ぶわけにはいかず、「セルバンテス殿」と呼ぶのもなぜか気が引ける…どう呼びかけたものか迷って、幽鬼は口元を押さえて顔を逸らした。
「おや?まさか私のことを忘れてしまった、なんて言うんじゃないだろうね」
「とんでもない…だが、どう呼べばいいか、と」
「昔のようにバンテスおじさんと呼んでくれたらうれしいが…エージェントの前では気恥ずかしいだろう。眩惑の、でいいよ。どうせ君はすぐに十傑のひとりになる」
 ソファに腰かけたセルバンテスは続けて言った。
「そうそう。君にあわせたいやつがいるんだ」
 クフィーヤの中からまるで手品のように取り出してみせたのは…グレーの、艶のなくなった毛並みのネコ。
「覚えているかい?」
 幽鬼は目を見開き、何度もうなずく。
「あ、ああ、もちろんだとも。確か…ココ、だったか」
「そう。君の初めての…動物の友だち、だ」
 テーブルの上に乗せられたネコは、しばらく周囲を見回していたがやがてなんらかの匂いに気づいたように顔を上げ、幽鬼のほうに向かって一声「ニャア」と鳴いた。
「もうずいぶん歳をとった…目も見えなくなってきてね、身体を動かすのもつらいようだ」
「そう…なのか」
 幽鬼が手を伸ばして撫でてやると、ネコは喉を鳴らして甘える。
 このネコを初めて膝に乗せたのはいつだったか。自分の手からエサを食べたのはいつだったか。カワラザキもセルバンテスもいない夜に、一緒に寝てくれたのはいつだったか。
 その記憶が一度に押し寄せてきた。
「ココ、よかったねえ。幽鬼くんはお前を覚えていてくれたよ」
 不思議そうな幽鬼にセルバンテスは苦笑して説明する。
「もう永くないんだ。だから最後に幽鬼くんにあわせたかった」
 そうしてネコを抱き上げた。
「ココ、満足したかい?さよならを、言いたかったんだろう?」
 幽鬼はもう一度、初めての友だちを慈しむように撫でた。

 セルバンテスが飛行艇の窓から手を振っている。
 それに手を振り返しながら、幽鬼は小さくうなずいた。
 気づいていた…先ほどのネコはセルバンテスが見せていた眩惑なのだ、と。
 自分のためか、ネコのためか、もしくはそのどちらものためにセルバンテスは初めての友だちに、別れを告げさせてくれたのだ。
「ありがとう…バンテスおじさん」
 幽鬼の手には、まだネコの感触が残っていた。

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Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
レッドは絶対荒唐無稽な夢を見る。

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