GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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残月の午後

 春の午後、自分に与えられた任務もなく、本部にほとんど十傑集が残っていないとなれば、暖かさにあくびのひとつも出ようというものだ。
 眠気を覚ますためにコーヒーでも淹れようかと思ったときだった。
 小さなノックの音がする。
 執務室のドアを開けると小さな淑女が立っていた。
「どうしたサニー。ん? そのバスケットはなにかな」
 サニーが抱えているバスケットからは香ばしい香りが立ち上っている。
「樊瑞のおじさまがお留守で退屈なので、以前覚えたマフィンを作ってみたのです。たくさんできてしまったのですが、今は残月さましかいらっしゃらないと聞いて、もらっていただけないかと」
 残月はちょうど午後のお茶にしようと考えていた旨を伝え、サニーを快く室内へ招き入れた。
「いい香り」
 先ほど挽いた豆の香りが漂っている。
「サニーはコーヒーは好きか?」
 目を閉じて鼻を蠢かせる仕種が可愛らしくて尋ねた。
 サニーは少しはにかんで答える。
「はい、あの…まだコーヒーは苦くて飲めないのですが、香りは大好きです」
「ふむ…あの頭の固い魔王が禁止しているのかと思ったがそういう理由か…よかろう、しばし待ちなさい」
 残月はコーヒーを抽出する間に、牛乳を温め大きなボウルを出してきた。
「カフェオレなら飲めよう」
 大きなボウルに牛乳とコーヒーが同等に注がれる様を、サニーは目を輝かせて見ていた。
 サニーの作ったマフィンは紅茶の葉とナッツの入ったもので、あまり甘くはなくコーヒーにはよくあった。
 サニーは苦味が和らぎまろやかになったカフェオレと、残月が差し出したバラの形の角砂糖を気に入っていろいろと残月のことを知りたがった。

「残月さまはいつもそのマスクをなさっていらっしゃるのですね」
 そう尋ねたあとで悪いことを聞いたかと表情を曇らせる。
 だが残月はそんなことでは怒ったりしなかった。
 長い煙管を燻らせながら、少女のもっともな質問に答えてやる。
「ふふ、これか…これはもう私の顔の皮膚の一部みたいなものだ。それに、このマスクを通さねば私はサニーの顔すら見ることができぬ」

 10年前のあの惨劇。
 あの悲劇によって残月はそれ以前の記憶を失った。
 顔も、身体もボロボロになった自分を助けてくれたのはBF団…失った記憶の代わりにBFへの忠誠を叩き込まれた。
 現在では顔の皮膚はすべて元通りになっているが、視力だけはどうしても回復せず、マスクについている特殊なフィルターを通さなければほとんど物は見えない。事情があってマスクを外す際にもやはり特殊なメガネが必要になる。
 それゆえ残月はマスクを外すことはほとんどない。
 すべての記憶を失ったはずなのに、フィルターを通さなくとも網膜に焼き付けられたひとつの人影があった。
 薄ぼんやりとした少女の顔…それがだれであるのか、残月はもう思い出せない。
 妹なのか、恋人なのか…だがその少女は惨劇の中で灰と化したろう。
 BFの意図は図れないが、あの悲劇が二度と起こらぬように、目の前で微笑んでいる少女が再び網膜に焼き付けられることのないようにと残月は願う。
「私は十傑としては甘いかも知れぬな。午後のカフェオレ並みか」
 自嘲めいた苦笑を浮かべてマフィンを口に運んだ。

 午後の日差しがゆっくりと傾いていく。

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まいりぃまいろ

Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
レッドは絶対荒唐無稽な夢を見る。

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