GRで萌えてみる

「ジャイアントロボ」のBF団十傑集で妄想展開中。メインは成長したサニー(17歳設定)のラブストーリーとか10歳くらいの幽鬼のお話。拍手・コメント等いただけたら管理人喜びますw

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クリスマスの思い出

 10歳の幽鬼は最低限の灯りだけをつけた部屋で、床に座り込んで本を読んでいた。
 カワラザキに引き取られて初めての冬…人と関わらず、本や植物を相手にしているときがいちばん安心できる時間だった。
 小さなノックの音がして、カワラザキが顔を出す。
「じいさま…」
「おいで、幽鬼」
 また実験や訓練だろうか…いや、それならエージェントが連れにくるはずだ。
「どこに?」
「いいから、おいで」
 カワラザキに手を引かれて、いつもは訪ねたことのない部屋へ連れていかれた。
 ドアを開けた瞬間、まばゆい光の洪水に出迎えられた。そして自分の部屋とは違う暖かな空気…幽鬼はわずかに口を開いたままで部屋の内部を見回した。
 暖炉の火が赤々と燃えている。あちこちにきらきらと光る飾りがつけられ、広い部屋の中央に大きなクリスマスツリーが置かれていた。
「これは…なに?」
 恐る恐るカワラザキに尋ねたとき、頭の上で大きな破裂音がした。
「メリークリスマス、幽鬼くん!」
 白いクフィーヤの上に三角のパーティ帽子をかぶった変なおじさんが、クラッカーを鳴らしたのだ。
「おや、驚かせてしまったかな」
 思わずカワラザキの陰に隠れた幽鬼をセルバンテスが覗き込む。
「やめんかバンテス。いきなり大きな音では幽鬼も怖がるだろうが」
 まだツリーの飾り付けをしているピンクのマントのおじさんがたしなめた。
 もうひとり、不思議な髪形をしたおじさんは暖炉の横にある安楽椅子に座ってなにもしない。
「せっかくだから幽鬼とクリスマスのパーティと思ってな。ワシとふたりだけでは寂しかろうとこやつらがきてくれたのだよ」
 カワラザキが優しく説明するが、幽鬼が生まれ育ってきた環境ではクリスマスのパーティなど知るはずもなかった。

 幽鬼はだれにもなじめず、カワラザキの服をつかんだまま皆の心を探っていた。
(きっとみんな、俺のこと変な子供って思ってる)
(きっとみんな、俺のこと気持ち悪いって思ってる)
 しかしひとつとしてそんな思考はなかった。だが…ひとつだけ幽鬼の中に流れ込んできた思考、それは暖炉脇に置かれたゆりかごの中からだった。
「おい小僧」
 安楽椅子のアルベルトが声をかける。
「葉巻が切れた。取ってくるからお前、このゆりかごを揺らしていろ」
「う、うん」
 なぜか素直に返事をした。
 ゆりかごの中には巻き毛の赤ん坊が寝かされていて、幽鬼が覗き込むとキャッキャッと笑った。
「揺らさなくてもサニーちゃんはご機嫌なのにねえ…」
「では最後の星は幽鬼につけてもらうかな」
 ツリーの天辺を飾る大きな星のオーナメント、樊瑞はそれを幽鬼に渡し、後ろから抱き上げた。
 幽鬼はどきどきしながら星を取り付ける。カワラザキ以外の人間と触れ合っているのにちっともいやじゃなかったなんて初めてだった。
「ではチキンを切り分けるかな」
 ホストのカワラザキがナイフを手にする。ほとんど同時にアルベルトが戻ってきたが、その手には小さなリボンのついた袋があった。
「なんだい、それ?」
「そこで孔明にあってな、これを幽鬼に渡せと…自分が顔を出すときっとあの子は怖がるだろうからといっていたな」
 幽鬼が袋を探ると花の苗が出てきた。
「フン、小洒落た真似を」
 アルベルトは鼻で笑い、シャンパンの栓を抜く。グラスを持つ各々に注ぎながら、ふと思い出したようにサイダーを手にした。
「お前はこっちだ」
 乾杯がなされ、飲み、食べ、にぎやかに笑いあう。
「幽鬼くん、楽しい?サニーちゃんはなにも食べられないし飲めないけど楽しんでるよ」
 セルバンテスにそう言われ、幽鬼はかすかにうなずいた。
「うん…」
「楽しいときには笑うものだよ」
 カワラザキも樊瑞も、赤ん坊のサニーもアルベルトまでもが笑っている。
 幽鬼は…意識して笑わなきゃと思う前に表情が緩んでいた。そしてそれと一緒になぜか涙がこぼれた。
(夢でもいいんだ…クリスマスって、いいものなんだ…)

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まいりぃまいろ

Author:まいりぃまいろ
ツイッターでフォロワーさんの描かれたウサヒツを見て書きました~。
レッドは絶対荒唐無稽な夢を見る。

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